設立の趣旨

 

高齢社会の進行と共に、高齢者の介護が大きな課題となっています。新しく介護保険が実施され、その中から介護予防という新しい課題が私たちに提起されてきているのはご承知の通りであります。とりわけ、痴呆者が顕著な増加傾向を示しております。介護にあたり、痴呆のお世話が一番難しく、かつ神経をすり減らす難事であります。1人世帯、夫婦のみの世帯が増加しており、松阪市を例にとっても、その数は1万人を超えています。この人たちが痴呆の危険に直面しています。 痴呆に限らず高齢化と共に進行する成人病などを予防するために必要な第一の施策は、何らかの仕事を持つこと、生き甲斐を持ち、社会参加を果たすことであります。しかし引退、退職後の壁はけわしく、行政の施策も僅かにシルバーセンターと職安の努力に任されているのが現状であります。これではとても膨大な高齢者、退職者の希望を満たせないのであります。 思うにこの問題は高齢社会の成否を左右しかねない意味を持っているように思われます。
高齢者の仕事、生き甲斐の重要性に早くから着目してきた私たちは十年以上も前から三重中高年雇用福祉事業団を設立し、自力のみで団員160人、事業高約4億(無借金、無赤字)の実績を積み上げてきました。この経験を生かして、新しくNPO三重県高齢者.退職者事業団を設立し、高齢社会への対応を目指す考えであります。
この事業団の運営原則は 公益非営利 自主 民主運営 公開 社会貢献 であります。
また私達の基本的理念は自助、公助、協助の結合であり、この事業団は協助の強化を目指すものであります。この理念は私たちが全国で初めて高齢者生協を設立した理念でもあります。
多方面の志ある方の賛同と協力を心から願う次第であります。