かめさんの詩集
第四弾
4 (混世紀)
賽の河原から
こっそり脱け出して
男の子が一人
虫たちの
鳥たちの
魚たちの
孵化しなかった
卵を
積み重ね
ひとーおつ
ふたーあつ
みっつ
・・・・
崩されては
懸命に積み重ね
完成した
一体の童地蔵さんの
笑顔が
our stolen future
からどんどん戻されてくる
遺跡群を
優しく包んでいく
訪れるひともない海辺
の砂浜に昨日描いた風
紋を消し明日の風紋を
堀り起し破り捨てた今
日の祈りを埋めてきた
太郎を眠らせ、
太郎の屋根に雪ふりつむ。
次郎を眠らせ、
次郎の屋根に雪ふりつむ。
三好達治