かめさんの詩集
第三弾
3 (途上生活)
それは それは
気の遠くなるような
ながぁーい ながぁーい
予生がありました
かの「イブの仮説」の
EVEに会いに
アフリカへ行ったが
駄目だった
帰り途 エジプトで
アウストラピテクス・ガルヒ
に招かれて
馬やレイヨウの肉
骨からとりだした骨髄
をご馳走になりました
お礼に
クロマニヨンじんの描いた
洞穴壁の彩色画を置いてきた
みんなと抱き合って
再会を誓い合った
We had the happiest time.
僕の時計は
Made in the Meiji era
たくさんの争いを刻んでまいりました
沁み込んできた苦しみを
燃やして動いてきました
まやかしの幸せが
いつの間にか発条を錆びさせて
動くのを止めてしまいました
どうぞ先に行ってください ぼくは
あとからゆっくりとついて行きます
The earth is round.
ひょっとすると
廻れ右をして
先回りするかもしれません
いつの間にか ながぁーい
余生が始まっていた
しばらくの間
この「カオスの縁」
に溜った
宇宙ゴミ
生産しては捨てられていく
電脳機器のクズ
を拾い集めて
途上生活を楽しみます
ときには 宇宙望遠鏡を覗いて
○○億光年昔にあったコト
これから○○億光年に贈られてくるイサン
が二重写になって
レンズに顕れる
幻想の蜃気楼に
まだ見ぬ
TENNYOを捜す
留守と言へ
ここには誰も居らぬと言へ
五億年経ったら帰ってくる
高橋新吉