主な登場人物
・アウズ 45歳 女性
イースラントの有力な族長未亡人。夫亡き後よく一族をまとめ、賢夫人の誉
れ高い女性。占い・呪術の能力も持ち合わせる。普段はおっとりとした風情
を漂わせているが、いざという時の決断力・行動力は群を抜く。主人公を元
の世界から連れてきたことに負い目を感じてはいるが、古い神々を奉じる一
族のためであると割り切っている。
補佐役達
・スカルプヘジン 25歳 男性
アウズの養子。実子がいないため後継者。身分はもともと低かった
が、剣の腕と状況判断能力を見込まれた。信仰心も篤い。アウズの
命令には服従する。寡黙で自制心も強いが、いったん激すると相手
を滅するまで攻撃をやめない。
・シグルズ 18歳 男性
古い名門の三男。アウズの屋敷に修行に来ている。人の役に立つことが嬉
しく、純朴で人を疑うことを知らない。良くも悪くも天真爛漫。身分の低
い者や同年代の者には好かれている。
・エギル 32歳 男性
アウズの使用人。亡き妻をノルトヴェークの有力貴族夫人に侮辱されて怒
り、裁判に訴えるも権力につぶされて逃走。アウズにかばわれる。何があ
ろうとも隠れだてせずに正々堂々と立ち向かい、名誉を非常に重要視する。
無骨な男と思われがちだが案外詩作が巧みである。
・グレティル 20歳 男性
名門の嫡男であるが、父親とうまくいっておらず、統治を見習うという
名目でアウズの元で働いている。自尊心が高く、人となかなかうち解け
られない。族長としての能力は備わっているが、運が悪くやることが裏
目に出がち。
・スノッリ 27歳 男性
法に造詣の深いアウズの相談役。人当たりがよく、伝承や呪術にも詳し
い。武力に頼るのでなく、法や話し合いで問題を解決することが最良の
道だと考えている。
・サクソ 28歳 男性
ノルトヴェークの隣国出身の青年。イースラントの法や伝承を学びに来て
いる。法などを社会に役立てるのでなく、純粋に研究対象として見ている。
人付き合いは苦手。スノッリとよく討論している。
・イングヴァル 30歳 男性
アウズの資産を管理している。交易のためあちこちを渡り歩いており、
情報収集・分析能力に秀でている。生じた敵を叩くのではなく、敵を
作らないよう立ち回る。旅先の国で女王とあれこれあったとかなかっ
たとか。
・ボリ 15歳 男性
アウズの被後見人。父を早くに争いでなくしている。物静かで詩作や
法の勉強を好む。実母に恥をかかせないよう、また父を殺した相手に
立ち向かえるようになろうと努力している。