アンケートにみる市民の声
 

 つい先日まで、「もう決まっているんだ」と声高に叫ぶ、「農・匠事業見直し拒否・症候群」という病気が, 市と議会の周辺に流行していたようだ。市議会は,この件を既に多数決で議決ずみだからというのである。
 それならどうして、昨年7月市がアンケートを行うとき,とめなかったのか。
 「決まっているから見直しは出来ない」というのなら、賛成か、見直しか、を問うアンケートなど不必要ではないか。

 しかも、あれ程ひどいアンケートは珍しい。普通なら、賛成、反対、修正、わからない、の四項目ぐらいを問うだろうに、賛成か見直しか、二つの選択肢しか与えていない。 
 おまけに「計画の見直しには日時と費用等が必要」とまで付記し、脅していた。
 一体、何のためのアンケートだったのか、いまだに目的がわからない。
 この問いで、賛成の答えが圧倒的に出なければ不思議である。
 ところが、その不思議が起こった。二種類のアンケート集約が、同じ日に同じ農・匠推進室から発表されたのである。(2000年8月30日)

 アンケート回答者数は、依頼者3000名のうち、1090名であった。
 第一の集約は   @続行    708名  65%
          A見直し   360名  33%
          B無回答    22名   2%

 第二の集約は   @続行    550名  
505
          A反対    249名  228
          B見直し   243名  223
          C意見なし   48名   44

 同じ一つのアンケートに二種類の回答集約が出た。これをどう解釈したらいいか。

 第一の集約で708名あった「続行すべき」の答えが、第二の集約ではなぜ550名に減ったのか。 設問にない「反対」が、どこから第二の集約で249名も出てきたのか。
 「見直し」意見がどうして360名(第一)から、243名(第二)に減ったのか。
 更に、「無回答」が第二では、二倍も出てきたのはなぜか。判らないことばかりである。

 私は、この違いの理由を次ぎのように推定する。

 どちらの集約も本当なのである。つまり、機械的に集約すれば第一のようになるし、回答者の意思を忠実に汲み取ろうとすると、第二にならざるをえなかった、と。

 アンケートには、「反対」の項目がなかったから、やむをえず「賛成」とか「見直し」に○をつけたが、意見はたくさん書いた。それを読むと真意は「反対」だと判断せざるを得なかった。そういう人がたくさんいたのだと思う。

 あれほど、反対者がでないように脅し、誘導までして仕掛けたのに、賢明な市民はのせられなかった、というべきであろう。

 「松阪情報公開を進める市民の会」の天野雅仁氏が収録してくれたアンケートに、記載されている意見を読ましてもらうと,よくわかる。

 「計画が甘すぎる」「増え続ける赤字財政にストップをかけよ」「農・宅は後回しにし優先度の高いものから実施せよ」など、多くの市民は市政の現状と問題点を実に的確につかみ、市の将来を憂え、見通し、高い識見から賢明な意見をのべている。

 僅かの情報しか与えられていない悪条件のもとで、良くもこれだけの判断ができたものである。 だからこそ、市も見直しに踏み切ったのであろう。

 市の見直し案に、市議会多数派がどう反応するか、私は大変興味をいだいたので2月22日久しぶりに議会傍聴にでかけてみた。

 その時引地議長が、市の見直し英断に敬意を表す、これからも見直しながら事業を進めるように、と発言していた。いあわせた市議の誰からもこの発言に異論はなかった。
 これは、それまでに私が聞いていた市や市議会の態度とは大きく違っていた。

 違ってはいたが、しかしこの変化は歓迎すべき変化だ。ただ、事業を進めながら見直してゆくというのはまずい。これからも見直しの必要があるのなら、将来に大きな禍根を残さぬため、思い切って抜本的見直しをするよう提言したいのである。

 2月22日付け「夕刊三重」紙によれば、市の赤字は来年3月末には875億2057万円に達する見込みという。慎重に構えるべきではないか。

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