6.成功・不成功の基準は?
 

 一般的にいって、公共の行政と民間の経営には本質的な違いがある。そのため行政では、赤字黒字が一定問題にされる特別会計と、それを部門ごとでは問題にしない一般会計とに分かれている。福祉、教育、文化、環境などの一般行政では普通赤字黒字とは言わない。

 それを承知で多くの市民が、農・匠事業の運営収支に赤字がでることを心配するのは、既に800億を超える赤字財政を抱えながら、農・匠の他に、下水道、総合運動公園など,莫大な費用を要する事業が次々に予定されており、1千億円の赤字到達が目前に迫っているからである。 

不安を敏感に感じる市民の,市政と市財政に対する関心は優れて鋭敏であり、愛市精神のあらわれと認識し喜ばなければならない。市理事者と市議会議員はこれら市民の心配解消に努める責任がある。

 以上の観点から、この事業の成功、不成功の基準をどこにおくべきかを検討してみよう。

 まず、30万人の集客をすることができるか、が問われる。

 理由は,市の計画自体が30万人を根拠にしているからだ。だが、本当はもっと厳しく見るべきかもしれない。なぜなら、この運営収支計画には減価償却費も投下資本にかんする返済計画も計上されていないからだ。

 民間経営では絶対にありえない計画だ。これが民間計画なら融資する銀行はない。

 将来の修理、改築、建替は,すべて一般市費から改めて出費すことになる。まさに親方日の丸の典型である。 

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