| 4.「農と匠の里」計画に魅力があるか |
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70億円もの市費を投ずる以上、やるなら絶対に失敗させてはならない。 計画には、年30万人の客を引き付けるだけの魅力があるか、見てみよう。 このパークのメインテーマ施設「農と匠の舘」の「匠の技展示棟」に入ると、松阪木綿の織物、法田染め、深野和紙など多彩な色や柄の世界が展示されており、また「技の工房」では染め物、竹細工、紙人形などの手づくり体験もできる。作品の販売もする。「技の教室」は多目的ホール型で伝統技の紹介セミナーや研究会が開催されるし、「松阪商会」では竹ざる、 木の器、和ぼうき,綿の浴衣、漬物など味わい深い日用品を集めて売るそうだ。 「米の匠工房」は地元米を使った酒づくりの技を紹介するほか,生酒、酒粕を使った甘酒、粕漬けなど特産品の開発,販売も行う計画になっている。 郷土の伝統技術や文化を大切に守っていくことは,大事だ。しかし率直にいえば、そういう伝統工芸に関心持つ人はあまり多くないのである。 だからこそ消滅をうれうる田畑美穂、仁田京子氏ら,少数の心ある人々の地道な奉仕と熱意で、やっと支えられているのではないのだろうか。事実、本居記念館も、郷土民俗資料館も、商人の舘も残念ながら年々来館者は減っている。ただ本居記念館が,他の二館より二倍もの来館者を集めていることは,注目すべきだ。系統的な講座の開設など地道な取り組みの成果でもあろうが、やはりここだけにしかない歴史的学問的文化的価値という特別の魅力があるからではないか。(本居記念館 昨年の入館者28,871名) いずれにしても宝塚古墳から出土した埴輪をふくめ、これらの文化財や施設を大切に守っていくことは、松阪市民の使命である。 これらと比べ、農・匠の館はどうか。建物は大きくて綺麗なものが建つかも知れないが、衝撃的な魅力や感動を与えうるだろうか。一般大衆の興味を引くのには余りにも地味すぎるのではないだろうか。 ほかに何があるだろう。キウイ、ぶどう、ブルーべリー、バラ、菖蒲、野菜、薬草、薬石,イギリス風鑑賞庭園などの広場や庭がある。「芝生広場」や「こども広場」もある。大きな溜め池が三つあって、小さい林があって、その北側に田んぼがある。 この水田14,300平米を「学習水田」と呼び、田植えと刈りいれを体験させるという。田植えは大人300円,子供200円の利用料、刈りいれは大人800円、子供600円の利用料で,それぞれ年間60人を見込んでいる。 これ以外に、「農作業具の展示棟」もある。 計画されていた「湖水劇場」と「温室」四棟は、去る2月の見直しであっさり削られた。しかしこれでは余りにも寂びしすぎるのではないか。
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