声明ーー西方寺住職の頁ーー
写真1 平等院 大修復完成慶讃法要
写真2 回転盤式音律早見表
写真3 魚山六巻帖
写真4 魚山六巻帖譜面
声明について
声明とは
ご葬儀などの法要儀式に際し、経文や真言に旋律を付けて唱える仏教声楽曲である。
平成26年10月1日平等院鳳凰堂平成大修復完成慶讃法要で「管絃講 順次往生講式」を厳修した(写真1)。
起源
古代インドの学問分野である「五明(ごみょう)」の一つで、音韻論や文法学を指すCabda-Vidya (シャブダ-ヴィッヅャ)が語源である。平安朝末期から仏教音楽をはじめ日本音楽のほとんどすべてのジャンルにおいて大きな変化がおこり、音楽用語にも意味の変動がみられた。この頃から次第に「声明」という言葉が仏教音楽という意味で使われるようになった。
内容
佛様を讃歎(褒め称えること)したり、場を清めたり、法要の主旨を述べたりするなど、様々な目的で唱えられる。
歴史と流派
平安時代に唐から最澄や空海が声明を伝え、天台声明や真言声明などの流派が確立された。天台声明の中心地は京都大原(大原三千院で有名な)であったことから大原流とも称せられている。声明は現在も各宗派で受け継がれており、日本の伝統音楽の源流の一つとも言われる。
音律・音階
声明の音律は雅楽と同じ十二音律を用い、430Hz(ヘルツ・振動数の単位)で調整されている西欧平均律「ラ」に相当する音を黄鐘(おうしき)と呼ぶ。声明曲は、基本として十二律から選び出された5個の音を組み合わせて構成される。その選び方は、起点となる音(あるいは主音)を宮(きゅう)として呂・律・中曲と呼ばれる旋法の法則によって決まる。選び出された5個の音階を五音(ごいん)と言い、それぞれを宮・商(しょう)・角(かく)・徵(ち)・羽(う)と呼ぶ。
回転盤式音律早見表(総本山西教寺販売)を用いることで五音の音律が簡単に分かる(写真2)。
楽譜
楽譜がない時代は師匠から口頭で伝えられる「面授口決(めんじゅくけつ)」が基本であったが、後に「博士(はかせ)」と呼ばれる記譜法が考案された。この博士は洋曲の五線譜の様な体系だった表記ではなく、宮・商・角・徴・羽の音の高さを、線の角度で示し、旋律の軌跡を可視的に線で描く楽譜となっている。
声明集の一例として宗淵開版 魚山顕密聲明集略本(魚山六巻帖)(写真3,4)がある。
住職の声明に関わる活動
【声明法要・講演の出仕・出演】
平成25年 3月 8日 大正大学鴨台会 三重県支部主催 雅楽と聲明講演
平成25年10月12日 大原 勝林院開基一千年紀法要
平成26年10月1日 平等院平成大修復完成慶讃法要(写真1)
令和元年 6月16日 天台宗三岐教区主催 天台聲明の響講演
【宗内】
令和元年から法儀研修所 儀捕
令和5年から宗学寮での「第一声明」講師
令和6年から宗・教区研修会の講師を務め後進の育成に励んでいる。