市事業の民間委託化について


【橋 まもる質問】


 それでは通告によりまして質問をさせていただきます。
 現在、我が国の財政は極めて厳しい状況にありますが、危機的な状況にあるのは、地方財政もいっしょであり、松阪市も例外ではなく、長引く不況の中、市税収入の落ち込み等によりまして予算書の11年度、12年度の対比を見ましても自主財源の減少と、依存財源の増加が顕著となってきております。
 このことは、市長もよく、ご挨拶の中で「国も大変だけど地方も大変なんです」という言葉をつかわれますので、十分認識してみえる事だと思います。
 一方、地方分権や、高齢化により地方自治の役割は益々増え、支出もこれに伴い増大することが予想されます。
 厳しい財政環境のもと、現状の市民サービスを落とさず、最小の経費で最大の効果を生む行政を運営のためには、今以上の行財政改革による、効率化とコストダウンが必要であります。
 このためには事務事業の見直しを行い、民間との役割分担を図るなかで、民間の能力と技術などの有効活用を図っていくことが重要だと考えます。
 自治省におきましても1997年11月、「地方自治・新時代に対応した地方公共団体の行政改革推進のための指針」の中で「民間委託の積極的・計画的推進」を唱っております。
 今回、私の一般質問は民間委託、アウトソーシングという切り口で市政を考え、以下いくつかのご質問をさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
 まずごみ収集業務についてであります。
 松阪市では現在2t車8台、4t車15台を使い74名の職員によりごみの収集を実施しており、その年間経費は、人件費だけで4億1千万円と、大変な経費をかけているわけであります。
 地方自治経営学会の出している「地方行革の手引き」これは、公立と民間とのコストとサービス比較を全国延316自治体からの報告により分析したものですが、これによりますと、ごみ収集を民間委託とした場合トン当たりの経費は可燃ごみ収集で44.6%不燃ごみ収集で54.2%になるとの報告が出ております。
 また、他の文献によりましても経費が約半分になるとの試算がほとんどであります。
 帯広市におきましては実際コストダウンにつながり、これにより浮く人員を順次、週1回の資源回収業務に振り分けることで、行政サービス向上とコストダウンにつながったと聞きます。
 松阪市は来年度も収集作業を含む7名の現業職を採用する予定でありますが松阪市としてこのような試算を行った事があるのか、またごみ収集の民間委託についてどのようにお考えなのかお伺いをいたします。
 次に学校給食についてでありますが、松阪市は現在小学校24校に対し学校給食を実施しており年間延べ144万4千食を提供していると聞きますが、給食を作るのは職員37名と嘱託員28名であり、その人件費は年間1億9千9百万円、約2億となっております。
 これもさきほどの「地方行革の手引き」によりますと民間委託をする事により経費は約半分になるとの試算であります。
 ただ、学校給食についてはO157をはじめとする食中毒等による衛生管理の問題や「食教育」といった費用対効果とは、別の次元での論争もある訳ですが、日本経済新聞社が設立した研究機関、日経産業研究所が97年に全国669市と東京23区に対し行いました調査によりますと94%の自治体が民間委託によりコスト削減ができたとしております。
 このうち37%がサービスの質も向上し、57%がサービスは変わらないがコストダウンに繋がったとしております。
 コスト削減になったがサービスも低下したというのはわずか1%に過ぎませんでした。
 これまで松阪市として調理業務の民間委託について検討された事があるのかご質問をいたします。
 また、学校給食検討委員会というのがこの2月から設置されているようですが、現在どのような検討がなされているのか併せてお尋ねをいたします。
 次に小中学校の労務員業務についてであります。
 従事いただいております方は、小学校22人、中学校13人、経費としては2億1千800万をとなりますが、これも先の地方自治経営学会の試算では、民間委託により3割の経費になるとの試算であります。  委託への移行を考えたことがあるのかお伺いをいたします。
 次に市民病院における入院患者への給食調理業務についてでありますが、こちらは職員8名パート13名により賄われておりまして年間人件費は約7千200万円であります。
 これも民間委託の対象になるのではないかと考えますがこれまでの検討の経緯またこれからの展望をお伺いいたします。
 次に公用車運転業務のについてであります。
 この委託につきましても地方自治体ではよく話題に上りますが、隣の久居市では外部委託により経費が半分以下になると聞きます。
 ただこれは、現在、市長車のみをタクシー会社からの運転手派遣により実施しているとのことでありますが、全面委託をすればかなりの経費が浮くと聞きます。  松阪市としての検討はどうなっているのか、お伺いをいたします。
 最後に総括的な質問をしたいと思いますが、市が直接行わなければならない業務は、「公権力に関する事」と「政策形成に関する事」だと言われております。
 ですから、それ以外の業務はアウトソーシングが可能であるという事になる訳であります。
 例えば堺市はアウトソーシングについての先進市でありますが少し紹介をいたしますと、平成7年から取り組みは行われておりまして、11年まで実施された項目数は22項目、金額換算で年間12億6千400万円の経費削減につながっております。
 また平成11年より「堺市アウトソーシング推進計画」を策定しまして、すべての業務について検討を重ねております。
 平成11年から平成14年までに民間委託実施予定の項目は38項目にも上ります。  民間委託といますと、これまで財政困難に悩む自治体が少しでも経費を浮かすための手段という側面が強かったわけですが、最近ではコスト削減と同時に住民サービス向上のため民間委託を実施する動きもございます。
 例えば、保育所の民営化による延長保育の実施などもその一つであります。
 ただ民間委託に出すという事は、大変な抵抗もある訳でして、私の質問は、海外のように、雇用の流動性の高さを背景にした、ドラスティックなアウトソーシングではなく、現在それに携わる方たちの、職場環境を脅かさない、計画的な推進ができないかという質問でありまして、それは退職者の不補充等により可能であると考えるわけであります。
 市長の所信の中で「企業経営の考え方を活用し、時代の要請に対応し得る自治体経営を目指す」とありますので、今後の市政の方向性として、アウトソーシングを視野にいれ検討する必要があると考えます。
   大きな項目につきまして、いくつかお尋ねをいたしましたので、お答えを頂きたいと思いますが他にたくさんの検討するべき事業もございます。
 アウトソーシング・民間委託という切り口で、市の事業全般にわたり検討を行う考えはないのか最後にお尋ねをし、一回目の質問を終わります。


【市長答弁】


 ごみ収集業務については、松阪市が試算の結果効率的な運営を行なっており、只今としては、現行の収集人数でコストダウンに取り組みたい。
 学校給食調理業務については、単独校調理方式、センター方式、職員が行なうのか、民間委託にするかを検討中である。
 学校労務員業務については正規職員の退職後も嘱託員として雇用し、経費削減を図っている。
 市民病院における入院患者への給食調理業務については、平成4年ごろに検討した経緯があるが、今後も直営なれではの鮮度の良い物を衛生的に提供していきたいと考えている。
 事業全体に対する委託化への検討については、市政マネジメントシステム検討の中で、当然外部委託についても、一定の考え方なり理念なりが明らかにされるので今後の検討結果を待ちたい。 【高橋 まもる再質問】  ご答弁ありがとうございます。
 実は平成7年の12月の定例議会一般質問におきまして引地議員より同様の質問がなされておりますが、その当時奥田市長は、清掃事業、学校給食については行財政運営検討委員会で検討され今後は改めてこの問題について検討しなければならない時期にきているとお答えになっております。
 その後も検討されてはいたのでしょうが、5年経った今でも市民と、そして私ども議員にもその結果が見えてこないのが現状であります。
 一回目の質問で市長の所信にあります「企業経営の考え方を活用し、時代の要請に対応し得る自治体経営を目指す」ということばを引用しましたが、企業では生き残りをかけ、効率化、コストダウン、を行いもちろんアウトソーシングは当然のことであります。
 今の市長のご答弁により、進めようとする方向性はわかりましたが、民間委託、アウトソーシングは、時代の流れであり、制度疲労の激しい現行のシステムからの脱却のためにはぜひくぐらなければならない改革であります。
 今年から始まりました介護保険、また地方分権による事務事業が益々増えることが予想されるわけですから、公がやらなければならない事業か民間に任せてもいいものか見極めをし、行政はもっとスリムになるべきだと考えます。
 そのような、思いから先ほどのご答弁に対しまして再度質問をさせていただきます。  市民病院の給食調理業務でありますが、市民病院の経営につきましては昨日も決算質疑のなかで質問がでておりましたが、決して健全な経営状態であるとは言いがたいわけであります。
 先ほどの、ご答弁では患者に対するきめ細かな対応と直営ならではの鮮度の良い物を衛生的に提供するため現行体制を選択したとの事でありますが、民間が行いましても、それは十分可能であると考えます。
 済生会病院では、食材の調達から調理まで全面委託をしております。
 平成4年から5年に検討された経過があるとのことですが、7年が経とうとする今、今一度検討する必要があると考えますが、そういうお考えはないのか再度質問いたします。


【市長答弁】


 経費面、業務の効率を考えて今後の課題としたい。


【橋 まもる要望】


 私は松阪市の財政についてもっと危機感を持たなければならないと考えます。
 何度もいいますが現状の職員の職場を脅かすことなく、退職者の不補充でアウトソーシング、民間委託を実施するためには時間がかかるわけです。
 市政マネジメントシステムの中で検討するとのことですが、ぜひ早くその方向性を導き出し実施いただきますことを要望し以上で質問を終わります。
 ありがとうございました。




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