かめさんの詩集

第十五弾

小品

１

寂しい

でも

寂しくない

　

五体投地して

墓地の

喧噪を

鎮める

　

2

苦しい

それだけ

苦しくない

　

遥か

祈りを

アフリカの地の

ケビンカーターと

女の子に

捧げる

　

3

哀しい

だから

哀しくない

　

曼陀羅

を拝み

非晶質の

結晶を待つ

　

4

足元の

小石を

天に

蹴上げ

未来を

引き攣り降ろす

　

輪廻転生

　

地面にぶっつかって

壊われた石

粉々になって

飛び散った

大古と

未来が

微笑を

交歓する

　

5

草を踏み　歩む

　

バクテリアの　呟き言か

　

高僧の言い遺した　遺誡偈頌の　木霊か

　

それらが和した　草の薫を　道連れに

　

裸足の遍路道を行く

　

詩は理解するものではなく、味わうものです。自分の好みに向くまま、食い散らかしていく間に、行間の美味佳肴に出会えるでしょう。

詩の行間はあなたのページです。

よしを

　　　　　　　

　

　

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