かめさんの詩集
第十五弾 - II
小品
6
宇宙からの手紙
―隕石を調べるように
何も記されていない
ボクの点鬼簿を
隅から隅まで
何度も何度も
読み返しているうちに
雑り気のない
言葉の誕生の
予感が膨らんでくる
小品
7
捨てることが
若さでした
失っても失っても
それだけ
豊かになりました
必要なもの
いらないもの
みんな
掻き集め
拾い集め
いつのまにか
晩年を楽しく
暮らすのに相応しい
廃墟ができあがっていた
近くの墓地を
独り 歩いている
老人の顔から
笑顔が消えることはありません
言葉で 奏で 絵を描き 彫る
よしを