保健室電光掲示板の製作 
2014,2015年課題研究作品

  2009年、2012年に製作した
は、いろいろな場面で使用されてきたが、今回保健室から「生徒にタイムリーな保健ニュースを伝えるために電光掲示板が欲しい」との要望があったため、今回は保健室前に設置する電光掲示板を製作することにした。2014年度に製作を始めたが、諸事情により今年度との合同製作となった。回路は、前回と同様に市販のキットを改造し高輝度LEDを用いた大型掲示板とし、8文字分(前回までは6文字分)表示できるものとした。
 電光掲示板k
2014年度の取り組み
各自が一文字分にあたる16×16LED基板を作成した。LED256個を基板にハンダ付けしたあと、基板上にプリント配線されたカソード側に対し、アノード側をスズメッキ線でハンダ付けし、マトリクス回路とした。
 電光掲示板k
 電光掲示板の製作
マトリクス回路
 
 
 2015年度の取り組み
  16×16LED基板の完成
 



16×16LED基板

 各基板にドライブ回路と接続するピンヘッダ端子を取り付け、縦16列、横16を電線でハンダ付けして16×16LED基板の配線が完成させた。
この作業は一人一枚の基板を担当して行った。 
 組み立て   
 



  基台に16×16LED基板、制御回路、ドライバ回路、電源回路などをネジ止めし、動作試験を行う。また、基台とフレームの隙間を埋めると同時に外部からの衝撃を緩和するクッションフレームを発泡ポリスチレンボードを切断、接着、切削
加工して製作した。
 保健室への取り付け
 

 
まず保健室前の壁にコンクリートドリルで穴をあけ、コンクリートプラグを使って掲示板基台をネジ止め固定し、本体を再組み立てした。

最後に電源線とPCからのRS232C制御ケーブル合成樹脂線ぴに納めて配線するためにドア枠の加工、線ぴの設置を行って完成した。
 

 今年度は、昨年度に引き続いて保健室より依頼された電光掲示板の作成を行った。一昨年度までは、課題研究中に発生する技術的なトラブルをみんなで何とか克服して単年度で一作品完成という形でやってきたが、昨年度は技術的ではない予期しない事情が発生したため完成を断念せざるを得なかった。今年度はその続きだったので、正直簡単にできるかと思っていた。ところが、今度はまたしても技術とは関係なく、私自身が健康上の理由から2学期末に1ケ月休まなければならなくなり、生徒諸君に大変な迷惑をかけてしまった。しかし、生徒諸君は私のいない間も相談しながら協力して作業を進めてくれた。感謝すると同時に彼らの成長ぶりに驚かされた

 結局、2月に入ってから何回か登校して掲示板を完成させ、保健室に設置することができた。また、今年度より課題研究の成果発表会が行われることになったため、完成・設置終了後も登校して、パワーポイントによる発表用プレゼンテーションをほとんど自分たち
で完成させるなど、彼らの意欲には本当に驚かされた。

ものづくりには、技術的なトラブルはもちろんのこと、それ以外のトラブルも多いということを身をもって体験すると同時に、自分たちの意欲と協力でそれを克服して成長した彼らに拍手を送りたいと思います。ご苦労様でした。

 

2012年課題研究作品

 2009年に製作した電光掲示板はその後いろいろな場面で使用されてきましたかぜ、ケースによっては縦型に文字が流れた方が見やすいということもあったため、今回はLEDを用いて文字が縦に流れる移動式の電光掲示板を製作しました。

電光掲示板の製作
1.16×16LED基板の作成

 前回と同じく最初に一文字を表示する16×16の256個のLEDマトリクス基板を作成。
作業の容易化と保守性から、16×2の大きさのもの8枚に分割して作業

 
16×16LEDマトリクス基板のハンダ付け

電光掲示板の製作
完成した16×16LEDマトリクス基板

16×16LEDマトリクス基板の裏面
2..組み立て・動作試験

 表示板基台に各回路を取り付けて配線を行う。制御回路はPIC を使用した市販キットを購入し、ドライバ回路は高輝度ダイオードに対応させるため改良して新たに製作したもの。この状態で動作を確認

電光掲示板の製作



3.アルミフレームの製作

アルミアングルを設計図に従って切断、穴開けを行った後、機械研究部に依頼してアルミ溶接後、研磨、パテ盛り、研磨、塗装を順に行いアルミフレームとした。
 
アルミLアングルの加工

アルミLアングルの切断

LアルミLアングルの穴開け



4.組み立て
アルミサンド板で作った基台に16×16LED基板をネジ止めし、アルミフレームを取り付けて電光掲示板本体が完成。


組み立て作業

アルミフレームのヤスリ仕上げ

組み立て作業

5.移動用パイプフレームの製作、取付
 イレクターパイプを切断して設計書にしたがって組み立て移動用のフレームを組み立て、完成した電工表示板を取り付け、完成した。

イレクターパイプの切断


移動用フレームの組み立て

掲示板をフレームに取り付け
 ちょうど3年前に文字が横に流れる電光掲示板を製作し、今年はそれの縦バージョンに挑むことになった。回路の検討など技術的な問題は前回に解決済みなので今年は早くできるだろうと予測していたが、やってみると様々な問題が発生した。
 まず、前回使用したICが廃盤になっていて後継品は表面実装タイプであった。表面実装タイプのままでは部品交換ができないので、通常のICピッチに変換する基板を作成しなければならなかった。また、昨年、基板加工機を導入したのだが、エッチングによる基板製作に比べて大幅に時間がかかった。

 また、アルミフレームのできあがり寸法が設計から一辺が5mm 小さかったため、これにともなって多くの部分に寸法を変更することとなり、その修正に多くの時間を費やすことになった。

 課題研究は一つのテーマを何週にもわたって行えるのであるが、やはり全体的な時間は不足しており、いつも実用的なものを製作しようとすると、その原理や細かい制御については説明する時間がなくなってしまう。しかし、それでも、実用的なものを自分たちの手で苦労して完成させたという達成感を経験してもらうことが大切な事だと思う。

今回は、各自が256個のLEDを取り付けるため、単調な作業が多かったのだが、生徒諸君の努力のかいあって形のよい完成品となったと思う。

 


2009年課題研究作品

 生徒の課題研究でこれまでLEDを用いたいろいろな表示器を製作してきましたが、今回は大型の電光掲示板を製作しました。秋月電子の電光掲示板キットをもとに、いろいろと改造してみました。
1.LEDマトリクスドライバの製作

 最初は秋月の電光掲示板キットをそのまま使用しようと考えていたのですが、購入してみて驚いたのは、LEDマトリクスがドライバ基板にすでにハンダ付けされていて、その分離が困難なことでした。

市販されているキット

ドライバ基板だがその裏は… →

すでにLEDマトリクスが実装済み
 さらに、もし分離ができても高輝度LEDを駆動するにはその電流容量に不安があった。
そこで、このドライバ基板の回路を元にして、電流容量を確保したドライバ基板を製作することにした。
 購入した基板の回路ではアノード側のドライバに、TD62783AFを使用しているが、このICは各ビット500mAが最大である。32個の高輝度LEDをダイナミック駆動するのには無理がある。そこで、この部分をディスクリートトランジスタである2SD560に変更したドライバ基板を製作した。
 かなり大きくなってしまったが、もともと大型表示板の駆動なので問題はなかった。
電光掲示板の製作

2.LEDマトリクスの製作

 16×16のLEDマトリクス基板を作成した。φ5mmの高輝度LEDを256個ハンダ付けするのだが、1面で製作すると失敗した時に大惨事となるので、基板を16×2に8分割して、作成。ハンダ付けチェック後、再結合させる方法をとった。6人の生徒で作成したので、一人一枚の16×16のLEDマトリクス基板を作成した。、


LED取付用の穴開け

基板を16×2に8分割
電光掲示板の製作
LED取付後に再結合させマトリクス配線

完成したマトリクス基板

裏にはドライバ基板との接続端子
電光掲示板の製作
ドライバとマトリクスを接続したところ



3.表示板基台の製作
 すべての回路を収める基台には、同級生が経営する看板屋さんでもらってきたボードを使用。これが実に調子がいい。
昔、多機能時計を作った時に基台をアクリルで作って、その後、静電気に泣かされたが、このボードはプラスチック板を両面からアルミ板でサンドしてあるため、、静電気によるトラブルが全くない。加工性もよく、アクリル板のように穴開けで割れてしまうこともない。

 この状態で、回路の動作テストを行う。

AC電源がなくても1日くらいは動作するように、外部にバッテリーを接続できるようにした。
電光掲示板の製作



4.アルミフレームの加工
 アルミのアングル(50mm×25mm)を基台の大きさに合わせて切断し、機械科にお願いして溶接していただいた。溶接後、ヤスリがけ、パテ埋め、ヤスリがけをして表面を修正し、黒に塗装した。
また、このアルミフレームを取り付けるためのアルミアングル(30mm×30mm)に切断、穴開け、部品取付部分のヤスリ修正を行い、基台に取り付けた。

アルミフレームの研磨

取付用アルミアングルの加工



5.組み立て
基台に16×16LED基板をネジ止めし、アルミフレームを取り付けて電光掲示板本体が完成。
最後にイレクターパイプで移動用のフレームを組み立て、完成した電工表示板を取り付け、すべて完成した。

基台への取り付け

アルミフレームの取り付け

移動用パイプフレームの組み立て
電光掲示板の製作



 ここ数年、LEDを使った実用的な表示板を製作してきたが、今年は前々から製作してみたいと思っていた電光掲示板に取り組んだ。回路は秋月電子から電光掲示板キットが発売されているのでそれをそのまま使用する予定であったが、すでにLEDマトリクスがドライバ基板にハンダ付けされていて分離が難しいことと、ドライバの電流容量に不安があったため、公開されているドライバ回路をもとに改良したものを製作することになった。この回路製作のため予定より生徒諸君の作業が遅れてしまった。

 課題研究は一つのテーマを何週にもわたって行えるのであるが、やはり全体的な時間は不足しており、いつも実用的なものを製作しようとすると、その原理や細かい制御については説明する時間がなくなってしまう。しかし、それでも、実用的なものを自分たちの手で苦労して完成させたという達成感を経験してもらうことが大切な事だと思う。今回は、各自が256個のLEDを取り付けるため、単調な作業が多かったのだが、生徒諸君の努力のかいあって形のよい完成品となりよかったと思う。

 最終授業の時には点灯しないLEDが1、2個あったため、生徒諸君も感想文にそのように書いているのだが、その後再チェックしてみるとハンダ付け不良が見つかり
これを改善することにより、最終的には全てのLEDが点灯したことを付け加えておく。

 最後に、今回もアルミフレームの溶接でご協力いただいた機械科の伊藤先生にお礼を申し上げます。