注意事項 あくまで感想です。記憶違い等存在するでしょう。資料価値はありません。読んで笑ってく
ださい。
 
 休みが決まって即座に申し込もうとしたはいいがサイトから申込書をダウンロード出来なかったので便
で送って下さるよう連絡する。送料は委員会負担。申し訳ない。 当日京都駅に降り立つ。京都は慣れて
いるのでまあ一応バス乗り場のみ確認すればいいか、と思いつつバス乗り場に向かう。見通しが甘かった。
紅葉の時期の土曜日、普段の平日の人手とは比べものにならない。乗り場を確認しようとしても人だかり
で案内板がろくに見えない。さて、と困っていると前にいた二人連れの方が見覚えのある紙を封筒から引
っ張り出している。「京都SFフェスティバルの方ですかー」と声をかけてみる。その方々も初めてらし
くまあここだろう、と見当をつけてそれらしい乗り場に向かう。乗り場の行列もすごい。と二人連れの
方が知人を発見された。四人なら、ということでタクシー使用決定。観光シーズン最中は人数と目的地に
もよりますが自動車が正解。バスを利用するなら事前のチェックと充分な時間のゆとりが必要だろう。
 会場に到着すると自然に解散となった。受付後着席。時間表を見ているといきなりまねきねこ通信や時
刊新聞をいただく。参加者全員に配っていると思ったので「ありがとうございます」
と言って受け取った。が、「時刊新聞来てるんですよ」などと話しかけて来られるので「元気ですね」な
どとしばらく会話が弾んだ。しばらくしてじゃ、と去られる。
 ーすみませんあのどこかでお会いしてましたっけ……。私人の顔覚えるのとんでもなく苦手なんです。
 そして開会。まずは日本SF新人賞受賞者鼎談。実は全部未読。自分の薄さを痛感しつつ聞いている。
井上剛氏、谷口裕貴氏、吉川良太郎氏。そのうちとくにSF好きだった、と明言されたのは谷口氏のみ。
「SF好き」の基準をどこにおいておられるのかはわからないがやや意外。逆にそんなにSFSFと気
負わなくてもいいのかな、などとも思う。自分がSFファンであることに対しての選民思想があるのかも
しれない。取りあえず読んでみなくては。「SFファン」な自分が好き、という状態はうそ寒いものがあ
る。
 昼休みをはさんで「アブノーマルSFの世界」。「オルガスマシン」と「シャドウ・オーキッド」の編
集者さんと大森望氏の対談。これも未読。「オルガスマシン」気にはなっていたもののちと購読に気恥ず
かしさが伴っていたのが理由。編集の方は普段はラブドールの雑誌の担当されている。それでそちらの話
になっていったのだが。…逃げたくなった…。ラブドールに丁寧に服を着せたり髪を整えてやったりする
その行為に恋愛感情は含まれているか、ということにはまあ一種の悲哀も感じた。実際に使わなくても(…
…)世話したり髪をくしけずること自体非常にセクシャル、だそうだ。種族維持の本能がマシンに向けら
れていく。よく考えてみたらそれもSF。
 三こま目は明智抄インタビュー。明智抄作品は好きなので楽しみにしていた企画。ネタばれ話などもあ
り楽しめた。打ち切りになるか否かの決定においてアンケートは重要度が高いらしい。やはり雑誌は買っ
て葉書はださねばならない。好きなものは自分で守ろう。
 昼の部ラストは非英語圏SFの現在。ロシア、中国、スペイン語圏の話が聞けた。スペイン語圏は自国
産のSFはほとんどなく、ファンジンの出版のみらしい。でもそれはそれで作品やファンに熱気がありそ
うだ。ロシアはファンタスチカ、というジャンルがあり、さらにサブジャンルとしていわゆるSFがある
らしい。そして小説の民衆に与える影響の大きさからソ連時代には統制がきつく、検閲対策としてウェブ
上に小説を上げることが早期に発達したそうだ。知られれば手が後ろにまわる状況でありながら書き、読
み続けるエネルギーには脱帽。比べて自分の根性なしさに少しめげる。ウェブがない時代にはタイプ
のカーボンコピーで流通させてたそうだ。しかし「官憲コケにするためなら何でもする」とは。そして今
でも検閲があるのが中国。こちらは「科幻小説」と言うジャンル名だそうだ。徳間書店から発行されてい
る武侠小説もその扱いになるらしい。手を出してみようかという気になる。そして科幻小説より武侠小
説の方が日本に先に紹介されていることについて科幻小説ファンがあんなものが先に、と怒っているらし
い。そしてホラーなどはそれにあてる言葉が作られていないのでジャンルとして成立してないとか。言語
学の人が聞いたら喜びそうな話である。
 本会はこれで終わり、合宿会場に移動。夜のプログラムまで時間があるので夕食を食べてしまおうとそ
こらをうろつくも一人で入れそうな場所がなかったので結局喫茶店でカレーですませた。
 オープニングは主立った参加者紹介と注意事項のみだった。SF作家、翻訳家等名だたるメンバーが揃
っていて自分の薄さを再び実感する。こういうイベントに来るたびに感じていることではある。
 合宿企画開始。まずはジェンダーSF研究会の部屋に行く。まだ開始時間前と言うこともあり人数が少
なく、名前を聞かれたりお茶をいただいたりと和やかな雰囲気である。が開始時間になると多人数となり、
気分を切りかえた。しかし何故男性が多い。主催者様も不思議がっていた。
 センスオブジェンダー賞候補だった「AΩ」の作者の方も姿を見せていて、最初から何故あれがジェン
ダーとして注目されたのか分からない、と発言。既存の性別にこだわらないところが、と言う趣旨(だっ
たと私は解釈した)の返答だったが納得はされていないようだった。そこから男女のセックスのとらえか
た、やおい小説の読者はなぜ男どうしにこだわるのか、ということに議論は発展。やおい小説嗜好につい
て男女のセックスは生々しいからワンクッション置きたい、や通常のものだと対等足り得ない、などと様
々な意見がでた。。だが男性陣はどうして対等足り得ないのか、と非常に疑問を感じていたようだった。
「対等」の定義から始めた方がいいのだろうか。
 あとはビデオや小説などの恋愛の読み方で女性はキャラクターどうしの関係性に感情移入するけど男性
の方は「俺が」ヒロインとどうこう、というとらえ方をするなどという主題があった。
 その他色々議論はあったが何か性別感で平行線に終わったという印象がある。他に興味深かったのは、
女性同士がふざけて抱き合ったりしても周囲は攻撃しないが男子校でそれをすると即座にゲイ扱いで社会
的抹消をくらう、という発言だった。どういう原因によってそうなるのかが非常に興味深い。
 その後の時間はとくに関心のある企画がなかったのでディーラーズルームで買い物をしたり、ロビーで
本を読んだりして過ごした。一人でゆったりしているのもそれはそれで心地良い。
 次は「異世界構築」条件をいくつか挙げてその条件に合致する生物、文明を考えようという企画である。
自分のファンタジー世界構築の参考になるかと思って参加したが、誤解があった。理系素養がかなりない
と積極的な参加はできない。他の方の発言を聞くにとどまった。
 参加者からの発案のうち採用された条件は三項目だった。「恒星に近い巨大惑星の衛星」「反物質が近
くにある」「性別は三つ」記憶が不確実なので間違いがあるだろう。
 反物質の利用によって宇宙航行という話が出たが反物質が具体的に理解できないので周囲の人に質問し
た。「すみません、ということは押したものは」「戻ってくるの」そのような世界の描写は自分などより
も高度な文章技術をお持ちの方にしていただき、自分は読んで楽しむに止めようと決意した。
 できあがった生物の大きさを2天文単位と間違えた一幕があった。。その暫く後「それだと知性がなく
ても恒星間航行が出来てしまう」「大丈夫それくらい。(さっきの間違いにくらべたら)知性は誤差のう
ち」との会話が発生し、私も含めて周囲に受けていた。知性は誤差。言い得て妙。
 その恒星間航行の理由「腹減った」…。「腹減った」で身一つで真空を移動する巨大生物。先ほどとは
違う意味で受けていた。私も久しぶりに声をあげて爆笑していた。「誰か小説化してくれませんかねー」
「ギャグでよかったらウェブにあげるよ」隣に要らした方が頼もしい発言をしてくださっていた。
 積極的な参加は出来なかったが理系の方々の、ある法則の元に世界を構築していく手法は参考になった。
 次の時間はライトノベルの部屋に行った。ウェブ上で行われた小説人気投票の結果を中心に議論が行わ
れた。アニメ化しているものに人気が集中。やはりメディアの力はすさまじい。
 個人的に気になったのはキャラクター中心のシリーズものが読者を多く得ていたことだった。異世界の
構築を前面に打ち出したものは人気が出にくいのだろうか。SFにしろファンタジーにしろ世界観の違い
が面白い人間にとってはやや残念な結果である。
 このこまで企画の時間は終了だった。寝部屋に行き、眠ることにする。布団が既に敷かれていてどこに
寝るべきなのか迷ったものの、既に寝入っている人達を起こすのも気が引けて適当にもぐりこむ。布団カ
バーの痛み具合が妙に微笑ましい。
 翌日の企画はは八時からのクロージングのみだった。
 クロージングで例年次回の実行委員長が発表されるらしい。だが未決定らしい。その場で今回の委員長
さんが来年もさせられそうな気配だった。
 クロージングも無事終わり、名札を返して旅館を出る。結構な人数の方が旅館前に集まっておられたが
どこのグループにも属してない人間がいても邪魔であろうと判断して朝食を食べに昨晩の喫茶店へ行っ
た。
 黙々と食べていると先刻の方々が来店された。相席で朝食をご一緒したが殆ど会話はできなかった。
 そのあとはまっすぐ京都駅に行って帰宅。
 やはりコンベンションは疲労感はあるが楽しい。今後の課題は積極的な参加と読書量の増加。           
SFコンベンションその他外出記へ