天台真盛宗総本山 西教寺

 西教寺は正式には、天台真盛宗総本山戒光山兼法勝西教寺という。聖徳太子の師である高麗の僧慧慈、慧聡のために創建されたと伝えられている。その後久しく荒廃していたが慈恵大師良源上人(元三大師)が復興、念仏の道場とされた。「往生要集」を著した恵心僧都も入寺、修行され、次第に栄えるようになった。鎌倉時代に恵鎮上人が入寺され、伝教大師最澄上人が興された大乗円頓戒を復興。室町後期の文明18年 (1486)に真盛上人が入山されるに至り、塔堂と教法を再興、不断念仏の道場とされた。  
 
 以後真盛上人に帰依し信奉する寺院は、西教寺を中心として天台宗の中にあっても団結してその教えを守り続け、真盛一流、あるいは盛門とよばれた。貞享2年(1685)天台律宗を称することを命じられ、明治11年天台宗真盛派として別派独立し、さらに昭和21年天台真盛宗に独立。全国にある同宗約四百ヶ寺の総本山である。

 平成12年11月、宗祖真盛上人が始められた不断念仏が十八万日に達したことを記念する大法会が盛大に執り行われた。宗祖真盛上人(1443-1495)は、イタリア・アッシジ聖フランシスコ修道会の聖フランシスコ(1182-1226)や京都高山寺の明恵上人(1173-1232)と、無欲清浄にしてその慈愛は人類のみならず生きとし生けるものすべてに及ぶという点で共通することから、これら三寺院の間で「精神的兄弟提携」が、十八万日大法要を機会に調印された。

 総欅入母屋造りの本堂(重文)(写真)には、藤原時代の丈六の阿弥陀如来(重文)が安置されている。また、桃山御殿と称される客殿(重文)は、伏見城にあった豊臣秀吉の旧殿で愛妾淀君の居宅であったと伝えられる館が移築されたものであり、その脇の庭園は小堀遠州の作である。静寂な全山に不断念仏の鉦の音が響き、ここを訪れる者は心洗われる思いがする。

 西教寺におきまして、電話で法話が聞ける「テレホン法話」が、週変わりで開設されています。ぜひご聴聞下さい。
また、リンクページにある総本山西教寺のホームページから今までのテレホン法話を読むことが出来ます。

テレホン法話: 電話 077-579-0874


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