主人公は、統兵衛という少年。彼は300年前、わずか16年の間で数多くの罪を犯し、打ち首となり処刑された極悪人でした。
地獄に堕ちてから300年たっても、統兵衛はまるで反省をせずに脱走を企てたりしていました。
そんな統兵衛にエマは「地獄から出る方法がありますと」と言います。
地獄から出る方法、それは「罪を集めること」でした。
現世に数多く存在する罪を、108日間で108つ回収してくれば、統兵衛の罪を消してやろうとエマはいいます。
罪を集めるには、罪が実体化したものである「咎(とが)」を探さなければいけません。(咎とは、罪の実体化した形で、罪人の悪を喰らい、罪人を守る「悪運」のような存在)
その咎を破壊し、回収する事ができる唯一の武器「咎狩(とがり)」を与えられた統兵衛は、現世へと赴きます。ちなみに咎狩は悪を喰らう妖刀で、使う者が悪であれば悪であるほどその威力は強いといいます。統兵衛にはまさに打ってつけの刀(外見は木刀)だったわけです。
しかしただ「咎」を集めるだけではいけません、なにしろ彼は罪人で、とりわけ地獄の中でも態度の悪い罪人です。普通に現世に降りて悪事を働かれた日には地獄側もたまったものではありません。
ですので、彼には枷がつけられました。現世の人間を傷つけてはいけない、盗みを働いてはいけない等です。もし現世の人間(たとえ悪人であっても)傷つければ、それが何倍にもなって自分に返ってきます。
とにかく現世で罪を犯せばばその時点で、彼の首と胴は切り離されてしまうわけです。かなり厳しい条件下でしたが、地獄から出るため彼はその条件をのみ現世に降りました。
しかし、現世に降りたはいいけれど、現世は300年前とまるで違う世界でした。
そんな現世にとまどう統兵衛。
そんな時に彼は、浅木いつきという少女に出会います。生前、そして死後も人に優しくされるということを受けたことのない統兵衛は、いつきや浅木家の人に最初はとまどいます。
が、少しずつ人の心を取り戻すかのように見えました。しかし、咎狩は悪の力を使う妖刀。人間らしくなればなるほど、彼にとっては戦う力が無くなっていくわけです。
そしてこの妖刀「咎狩(トガリ)」、エマもただ統兵衛に渡したわけではなく、実はかなりの曰く付きの刀でした。
今までこうやって何人もの罪人が咎狩を持って現世に降りましたが、どの悪人も最後には咎狩に飲み込まれてしまうのです。悪を喰らう妖刀、それはその刀を使用する者も例外ではありません。ある意味扱いづらい罪人の厄介払いの方法の一つでもあったようです。
エマの真意はどこにあるかわかりませんが、彼は統兵衛をただ自由にしてやるだけではなかったわけです。
この悪条件の中、彼はすべての咎を集めることが出来るか…というのが序盤の簡単なあらすじです。
■管理人のヒトリゴト
現在8巻まで出ていて、オハナシはこれから…というところで終わっています(涙)しかし逆にこの終わり方なら、いつでも連載再開できるわけですよ!!!
なので、どうしても統兵衛がこれからどうなってしまうのかがみたいのです。
生前も死後も、人として扱われたコトがなかった統兵衛。登場人物の中で、当初誰よりも悪だった彼が、浅木家の人達の優しさにふれて少しずつ人になっていく、その課程がそのコミックス8冊分の中で描かれているわけですが、彼が最後にどうなったのか…それが未だに知りたくて仕方がないわけです。
彼がどうしてここまで荒んでしまったか等、生前のエピソード等いいオハナシが多いんですよ。7巻収録の「ヒトニナリタカッタオニ」の話はじ〜んときました。じーんと来たっていうか、オニが可哀想で(涙)
『人になれなかった鬼』では、鬼は人になることができませんでしたが、このトガリの本編ではぜひ鬼(統兵衛)が人になれるところをみたいのです。諦められないんですよーーー。いや、心情的には人になっていったわけですが、結局最後に彼がどうなったのかわからないんですよ…。108の罪を集めた後がどうなったかどうか…。(気になる…なりすぎます)っていうか、あそこで終わりはないですよ…本当に(泣きそうです…)
せめて掲載紙がサンデーでなかったならば!!と思わず悔やんでしまいます。ですので、どこか違う雑誌でもいいから連載再開しないかなぁと願ってしまうのです。
版権の問題上やっぱり他社だと問題あるんだろうけども。う〜ん。
現在8巻まで出ていますが、購入はもうネット上の本屋さんか、古本屋さんでないと難しいのではないかと思います。出来れば、先生へのお布施のために新刊で(笑)とにかく興味が沸いたら読んで頂けると嬉しいです。
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