第九回「養心の会 三重」 9月例会のご案内

講 師 清水義晴先生
「演題」変革は、弱いところ、小さいところ、遠いところから
日 時 平成16年9月6日(月)
時 間 午後 6:30開演
会 場 ウッドピア 木の情報館
住 所 松阪市木の郷町1番地
会 費 2,000円(講演会)
茶話会 1,000円(うちの茶の間)
清水義晴先生と語ろう会)

【清水 義春先生のプロフィール】 
1949年、新潟市に生まれる。早稲田大学法学部卒。高校に入ってラグビーの楽しさに出会い、夢中になる。卒業後、家業の印刷会社に勤める。26歳のとき、父親(社長)の突然の死によって経営を引き継いだ。38歳で経営をバトンタッチして相談役となる。二年間、現代美術館の運営などにたずさわったのち、フリーランスに。そのころからまちづくりにかかわるようになり、現在は「えにし屋」という屋号で全国のまちづくりやコミュニティー・ビジネス、人材育成などの仕事を手がけている。
著書に『理念空間の創造』『集団創造化プログラム』(ともに博進堂)、対談に『ワークショップは宝の山』(PS文庫)、『心価に着目したマネージメント』(博進掌)などがある。
弱点は機械に弱いこと。よって、いまだメールアドレスをもたない。

変革は、弱いところ、小さいところ、遠いところから
<ただの人>が社会を変えていく
全国のまちづくりを世話する著者が各地の実績を紹介。元気の出るまちづくり。親たちの手による学校改革。仕事を(快労)にする秘訣。市民主導の市長選。停滞ムードを蹴っ飛ばす法!
【目次】まちづくりから地域が変わる、学校が変わる/<ただの人>が社会を変えていく/仕事に(快)をつくりだす人びと/冷たい経済から暖かい経済へ/市民発、政治も選挙も自分たちの手で

変革は弱いところ、小さいところ、遠いところから            清水義晴
新潟県在住のまちづくりコーディネーター・清水義晴氏は、ここ数年、月一日の休みも思うように取れない多忙な日々を送っています。清水さんは、自分を必要として声をかけてくれたところならどこへでも喜んで出かけていきます。そして、まちづくりワークショップを開催します。
 ワークショップでは、じつにさまざまな問題が参加者から提起されます。教育、商売、環境、福祉、まちおこしなどどこの地域でも話題となる全国共通のテーマが中心です。
 清水さんは、一人ひとりに気を配りながらも、各々の悩みや困りごとに手を差しのべたり、解答めいたことはしません。ワークショップのおもしろさは、あるテーマを参加者で共有し、共に考えることにあります。それは、たくさんの人で意見を述べあい考えたほうが、より良い結論や方法が見つかるから、というだけの理由によるのではなく、時には名案など何も出ないときもあるのです。しかし、さして注意をひかれないラベル(参加者は自分の意見をラベルに記入し、それらは一枚残らずホワイトボードに貼られていく)も、ついさっきまでの自分と同じようにウンウン唸りながら考えた結果なのだなと気づいたとき、他人を尊重するというごく当たり前のことを、参加者は再認識することになります。そのような発見や気づきの手助けをするのが、ワークショップのファシリテーター(引き出す人)の役割である。その様な手法から下記の実績が生まれたのでしょう

・死んだ街と言われていた福島県会津若松市七日町通り商店街の再生 。
・町を知るプログラムから始めて松林の再生、そして数々のまちづくりプロジェクトが生まれた新潟県大潟町。
・新潟県加茂市の桐の苗を植える運動から家具の再生インテリア事業おこしのプロデュース。
・新潟県・福島県・群馬県・沖縄県のまちづくりコーディネーター養成。
・北海道浦河町、鹿児島県川辺町の精神障害者施設の会社づくり、まちづくり支援。
・名古屋、東京、浦河、新潟で新創業塾を開催。
・新しい時代の起業家養成の場づくり。
・経験とネットワークを活かして、循環型の社会づくりに役立ちたいと思っています。
又、新潟市長戦で、ただの新聞記者を草の根運動で当選させる流れを作った人でもあります。

清水さんは、清水さんご自身が点火人と称されており、支援型のリーダーを創り出すことがこれからの日本に必要だと考えられています。
支援型のリーダーは相手を受け入れ、応援し、その人の才能を咲かせる名人です。その人が点火すると、点火された人は新しい点火人になり、火は次々に広がっていきます。
べてるの家のプロデュースや全国でまちづくりに関わり、新潟市長選では無名の新人をボランティアによる市民の手で見事当選に導かれました。

<競争と対立から、共感をたずさえた変革へ> <異質な考えや人びとと共にあることの大切さ>
・・・・・・・私はこんな確信を抱いています。私たちの社会は、今までとは違う原理で動き始めている、と。おそらくそこには、「共感」という動機があります。
競争原理のもとではどうも自分の未来像が描けない、という人たちはこれでは自分を見失ってしまい、楽しく生きていく心のバランスが保てないということに気づいてしまったのではないでしょうか。そういう人たちが、より人間らしい絆によってつながりはじめ、ほんとうに些細なこと、見落としがちなこと、しかしじつはだれもが感じていることへ働きかけ、高くて大きなところからではなく、低くて身近なところから私たちの社会を変え始めている。たったひとりからでも自分で考え、判断し、行動する人たちが動かしていく。競争ではなく共感をエネルギーの源とした新しい市民社会が生まれつつあると私は思います。・・・・・・

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