第八回 「養心の会 三重」 8月例会のご案内

講 師 池間哲郎先生
「演題」閉ざされた世界の中で懸命に生きる子供たち

日 時 平成16年8月26日(木)
時 間 午後 6:30開演
会 場 ウッドピア 木の情報館
住 所 松阪市木の郷町1番地
会 費 2,000円(講演会)
茶話会 1,000円(うちの茶の間)
池間哲郎先生と語ろう会)

【池間 哲郎先生のプロフィール】 
生年月日  1954年3月13日
家  族  長男 長女 次女
職  業  JAN(ビデオ撮影業)代表者
団  体  NGO沖縄アジアチャイルドサポート代表理事     
沖縄県NPO推進懇話会委員  沖縄市平和行政推進委員  沖縄大学非常勤講師 
2001年12月  西日本銀行アジア貢献賞受賞
2002年 5月  カンボジア王国地域貢献勲章授与
2003年 3月  カンボジア王国地域貢献勲章 
2003年12月   琉球新報社会活動賞受賞 
主にアジア(ベトナム、タイ、フィリピン、カンボジア、モンゴル他)のゴミ捨て場やスラム等の貧困地域を撮影や支援の為に足を運び、そこで見た貧しい人々の過酷な現状や、必死で生きる子供たちの姿に心を動かされる。私達の「少しだけ優しい心」で、いかに多くの命が救われるかを実感し、講演、写真、ビデオ等を通して伝えている。

マンホールチルドレンとは・・・・

 モンゴルの冬は厳しく、気温はマイナス30度まで下がる。親から見放された子供たちは地上で生きていく事が出来ないため、暖房用の温水が通る真っ暗なマンホールの中で暮らしている。その数は、ウランバートル(モンゴルの首都)だけでも2000名いるといわれている。マンホールの中はゴミが散乱し、ねずみが走り回る。人間の住む場所ではない。
 しかし、子供たちが生きていける場所はここしかない。マンホールの中で暮らしている子供たちに出会ったのは、4年前のことである。
 今でもあの時の衝撃と悲しみにも似た怒りは、胸をしめつける。
 この子供たちにすこしでも幸せの光をとどけたい


〜アジアの子供たちは今〜                               池間 哲郎さん・講述録から

 それでは、最後に心から三つだけお願いして終わります。
一つ目、理解する。分かる。知るということもとっても大切なボランティアです。貧しさが原因で毎日多くの人々が死んでいきます。1年間で1500万人。そのほとんどは罪のない子供です。これをわかってください。
 二つ目、少しだけ分けてくださいということ。100%の愛なんていりません。0,1%だけでいいのです。100円がなくても死ぬ人がいます。私たちがこのような問題に少し目を向けると、間違いなく多くの命が生きます。断言します。どうか一生懸命生きている子供たちに対してあなたたちの優しい心を少しだけ分けてください。
 三つ目、自分自身が一生懸命生きること。これが一番大切なことで、一番言いたいことです。いいですか。これをよく聞いてよォ。いいね。もっとも大切なボランティアとは、誰かのため、人のためではないのです。自分自身が一生懸命生きるということなんです。真剣に生きる人じゃないと、人の痛みや悲しみはわかりません。これは断言します。
このような映像を見て、こんなに子供たちの話をして、この子どもたちが可愛そうに思うでしょう。だから助けてちょうだいって話をしているんじゃないの。誤解するなよ。ましてや、あなたたちが恵まれているから、どうのこうのと説教する気もありません。
 そうではなくて私が言いたいことは、あの子供たちはたとえマンホールの中で暮らそうが、ゴミ捨て場の中で暮らそうが、一生懸命生きているということなんです。あの娘たち見たでしょ。あなたたちと同世代。彼女たちはエイズで死んでしまうかも知れない。でも、あの子たちは一生懸命生きているんです。
 親のために死ぬことができる?できないでしょう。私は一生懸命生きる命だから、みんなで大切にしたいと言っているだけなんです。
 私たちは豊かです。生きていくことは簡単です。そんな社会であるが故に「命が尊い。」「食べ物が大事。」「一生懸命生きる。」そのような人間にとって最も大切なことを忘れてしまうんです。だからこそ、私たちは学ぶべきなんです。あの子供たちから。一生懸命生きることの大切さを学んで欲しいのです。これをみんなで考えて、又自分で考えて・・・・・・。どうか一生懸命生きてください。一番大事なボランティアは自分が真剣に生きることなんです。
以上の三つのことを心からお願いして終わります。どうもみんなありがとう。

感想文紹介(愛知県北方中学校三年生 学年通信より)

●私は講演を聞いて、大きな衝撃がありました。私たちの世界ではあり得ないことが実際にあることがまず信じられませんでした。途中何度も泣きそうになったのですが、「今泣いたらアジアの子どもたちに失礼だな」と思ったので、がんばって泣くのをがまんしました。
池間さんが講演の最後に言った「一生懸命生きてください」とのひと言が私の心の中に響いてきました。私たちは、アジアの子どもたちよりも豊かで、手に入らないものは無いけれど、私たちに無い大きなものをあの子たちは持っていました。それは、心の広さです。私たちがどれだけ自己中心的であるのかがよく分かりました。
今日は私の人生の中で大きな意味を持つ一日でした。
●同じアジアにこういう子どもたちがいるのは前々から知っていたが、こんなに深刻だとは思わなかった。マンホールでねずみやゴキブリに囲まれて生活していて、一日食べる食糧を買うお金さえも無いなんて残酷すぎると思った、そういう子どもたちを増やしてしまう大人たちも許せないと思った。
でも、どんなに食糧・お金・洋服が無くても、家族を思う気持ちはどんな世界でも同じなんだな…と思った。自分がどれだけお腹がすいても家族のため、仲間のために食糧を分けるのだなんて、もし自分がその子どもたちの立場になったとき、絶対そうできるとは自信を持って言えない。自分が傷を持っているからこそ、他人の痛みも分かるんだなぁと感じた。本当に感動した。
今日はすごく大切なことを教えてもらったと思う。これからは、もっともっと考えて生活をしたい。

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