第28回 「養心の会 三重」4月例会
講 師 小倉くめ先生
「演題」
母ちゃん障害者に生んでくれてありがとう

     
日 時 平成18年4月12日(水)
時 間 午後 7:00開演
会 場 松阪市市民活動センター
住 所 松阪市日野町788
会 費 2,000円(講演会)
茶話会 1,000円(うちの茶の間)
小倉くめ先生と語ろう会
小倉くめ先生のプロフィール】
昭21.4.14生まれ。愛媛県松山市在住。
先天性の脊椎障害があるため、無職、無年金。夢職!を掲げる「秘めだるま」編集長。季刊誌の企画編集、講演活動、ラジオ出演の三足のワラジを履いて奮闘中!
「くめさんの空」は“人として生きる”ためのヒント満載のメッセージ・ラジオで平成5年からロングラン放送中!
平成14年、社会貢献支援財団より「社会貢献者表彰」 受賞
平成15年、「南海放送賞」 受賞
 小倉さんは、脊柱側弯症という障害を持って、昭和21年愛媛県に生まれた。腰骨が曲がっていることから、小・中学校を通していじめられるなど、辛い思いをしながら中学を卒業した。すぐに就職したが、仕事に就けば体を壊すということを繰り返さなければならなかった。身辺のことはどうにか自分でできるため、障害年金の対象外とされている小倉さんは、収入を自分で得ることができなければ、生きていくことはできない、死ぬより他はないと思うようになった。
 しかしその頃、愛媛県で重度障害の娘さんと母親の親子心中があり、小倉さんはこのような悲惨なことを一つでもなくしたいという強い思いにかられた。昭和59年にそれまでの蓄えや失業保険などを全て注ぎ込み、障害者問題を世に問うミニコミ誌「秘めだるま」を創刊した。
 障害者問題を考えることは、健常者の生活を考えることである。それと同様、他のさまざまの差別を考えることは、すべての人達のことを考えることでもある−このような意図から「秘めだるま」は創刊6年目に「あらゆる弱者問題を通して、人としてどう在るべきかを考える」という方向に趣旨を変更し、その中で小倉さんは独自の問題意識で訴え続けた。
 今年で発刊23年目となる「秘めだるま」は、全国に読者を持ち、海外からも購読依頼が届くようになっている。
小倉さんは13年前からは地元のラジオ局で、番組「くめさんの空」を持ち、ユーモラスなトークとユニークな視点で好評を得ている。また県内、県外を問わず、講演依頼に応えて各地へ赴き、障害者の視点から社会問題を語り続けている。

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           秘めだるま
小倉くめさん(59歳)は生まれながらにして『脊椎側弯症』という障害を抱えています。物心ついた頃から繰り返された「いじめ」。障害のため、どの仕事も長続きせず自殺さえ考えました。
そんな彼女の転機は37歳のとき。愛媛で起きたある重度身障者親子の心中事件でした。「障害を持っとる人間は、死ぬしかないんけ?それじゃいかん。」社会的弱者の現実を世に問おう!自立を呼びかけよう!と彼女はたった一人で季刊誌『秘めだるま』を創刊、発行部数はいつの間にか850部になりました。
4畳半、家賃3万2千円のアパートで自らの人生を刻むかのように生み出される言葉。そこには同世代やいわゆる弱い立場の人達を応援するパワーが秘められているのです。ときには障害を持った60歳近い女性が本当に、一人でこの国で生きてゆけるのか?と不安に思うことも。でも彼女には‘夢’があります。もちろん命尽きるまで『秘めだるま』を出し続けること。
「命」の希薄さが問われている今だからこそ、たくましく生き抜く彼女の姿、詩、そして言葉は多くの人にとって、「生きる」為の応援メッセージとなる事でしょう。