講 師 五日市 剛先生
「演題」
〜ツキを呼ぶ魔法の言葉〜

      言葉で人生が変わる
日 時 平成17年12月6日(火)
時 間 午後 7:00開演
会 場 松阪市市民活動センター
住 所 松阪市日野町788
会 費 2,000円(講演会)
茶話会 1,000円(うちの茶の間)
五日市先生と語ろう会
【五日市 剛先生のプロフィール】
1964年岩手県生まれ。国立宮城工業高等専門学校卒業後、豊橋技術科学大学に編入学。その後、マサチューセッツ工科大学へ留学。26歳の時、イスラエル旅行での出会いがきっかけで人生がガラリと好転。現在、某大手企業にて新規事業および研究開発に従事している・工学博士。たった2年で国内トップシェアを実現。また世界で初めて「微紛末の高速フレーム溶射技術」を確立し、国際的に高い評価を得る。講演筆録『ツキを呼ぶ魔法の言葉』が話題になっている。(20万冊 6月末時点)月に4万冊の割合で売れている。
五日市剛(いつかいちつよし 工学博士)さんのエッセーより

 運が強い人とは、他の人といったい何が違うのでしょうか?それって、先天的なもの?後天的なもの?努力すれば得られるもの?
 いつの頃か、僕は人の運について真剣に考えるようになりました。なぜかというと、自分はものすごく幸運に恵まれているからです。「どうしてオレってこんなに運がいいんだろう!」と毎日十回以上叫んでしまうくらい、ツキのある日常を送っています。  
 実はあることがきっかけで、僕の運勢は大きく変わりました。これから、そのちょっぴり不思議な話を紹介させていただきます。ちょっと御伽話みたいな話ですけど、本当にあった話なのです。
 今から十三年ほど前、僕がまだ大学院の学生だった頃のことですが、一ヶ月間イスラエルを貧乏旅行しました。「中東の取材」が名目でしたが、実はそれまでやっていた研究に行き詰まり、人間関係にもひどく悩み、さらに気性の荒い自分の性格も好きになれず、現実から逃避したい気持ちがあっての一人旅でした。
 ある寒い日の夕方、ハイファという港町にバスで着き、さっそく宿探しを始めました。が、なぜかどこのホテルも休業中。「そんなバカな」と焦って探しても、開いている宿は一向に見つかりません。どんどん夜が深まり、寒さも一段と厳しくなってきました。その日は数十年に一度の大寒波がイスラエルを襲った、とんでもなく寒い日でした。もし、野宿したら死んでしまいます。
 「オレの人生ってここまでかな」・・・そうつぶやきながら、肩をガクッと落とし、トボトボと通りを歩いていると、一人のユダヤ人のおばあさんが話しかけてきました。
 「どうしたんですか?顔色が悪いですよ」
 そのおばあさんはニコニコしていて、まるで魔女のような風貌。でも結局、そのおばあさんの家へ泊めてもらうことになりました。おばあさんの家に着くと、まず、おいしい夕食をごちそうになりました。その後、おばあさんは電気を消してロウソクを灯し、いろんな興味深い話をしてくれました。
 その中で、「運命というのはね、本当にあるのよ。それに、ツキというのは、実は簡単に手に入るものなのよ」と言ったものですから、「えっ、本当ですか? どうしたら得られるんですか?」と尋ねました。
 「あのね、ツキを呼び込む魔法の言葉が二つあってね。一つは『ありがとう』、もう一つは『感謝します』。普段何気なく使っている言葉だけど、使い分けるといいわ。・・・そうね、どんな些細なことでもいいから、いやなことがあったら「ありがとう」。逆に、良いことがあったら「感謝します」何度も繰り返し繰り返し言うのよ。そしたら、絶対にツイてくるわ。本当よ」
また、おばあさんは次のようなことも言いました。
 「絶対に人の悪口を言ってはダメ。言えば言うほど、あなたからツキはなくなっていくわ。人の口から発せられる言葉はね、魂を持っているものなの。だからネガティブな言葉を言ってはダメ。「てめえ!」「クソったれ!」「死んじまえ!」などと汚い言葉を平気で使っている人はね、そういう人生を歩むのよ。だから、きれいな言葉を使いなさい」
 おばあさんのお話に、僕はとても感激しました。僕の唯一の取り柄は素直なこと。だから、この日以来、おばあさんから言われたことをひたすら日々実践しています。結果は言うまでもありません。思いっきりツキまくりです。
 「オレってどうしてこんなに運が良いのだろう」の毎日となりました。
 ある日、「ありがとう」を何気なく漢字で書いてみました。そうしたら、ナント「有り難う」そうか、やっぱり難が有る時に「ありがとう」か!と、一人で感動してしまいました。 
 PHP研究所副社長の江口克彦さんは、松下幸之助の『出来事の肯定的解釈』を通して、「運の強さとは、まず自分にふりかかるすべてを「自分は運が強い」と捉えることによって、その人の身につくものではないか」と言っています。 
 また、日本一のお金持ちである、銀座日本漢方研究所創設者の斉藤一人さんも「ツイてる」と言っていればツイてくる。逆に「ツイてない」と言っちゃうとツキが逃げてしまう。実に簡単な法則です」と言っています。 
 「ありがとう」「感謝します」に加えて「ツイてる」「運が良い」も僕は意識して繰り返し言うようになりましたね。誰に対して言うのか? 喜んで聞いてくれる自分に対してです。そしたらね、すぐに言うクセがつきました。クセがついたらこっちのものです。
 今の会社で研究部門の課長になったとき、気になる部下が一人いました。僕よりひと回り年上の係長さん(Aさん)です。優柔不断で自信もなくて、何やってもうまくいかない人でした。
 みんなからもバカにされていましたが、人間的にはとても良い人で僕は好きでした。そこで、僕のもとに配属になってもらい、彼にちょっとした提案をしてみました。
 「ねえ、Aさん、ご自分は運の良い人生を歩んできたと思います?」
 「え?・・・そ〜うですね。どう考えても、運が良いなんて思えませんね」
 「そうか。ひとつお願いがあるんだけどね、毎朝ロッカールームで会うでしょ。そのとき、「ツイてる?」って聞くから、「ツイてます」って応えてくれないかな。帰りも同じく」
「はぁ? どうしてそんなこと言わなきゃいけないんですか?」 
・・・Aさんはそう言うものの、上司のお願いだから「しょうがないな」という感じで、一応了解してくれました。
 翌日の朝、「Aさん、おはよう。どう、ツイてる?」
  「え? あっ、はい、はい。ツイてますよ」と、少しイヤイヤながらという状態でした。でもね、毎日毎日やっているとAさんも慣れてきて、「は〜い、ツイてますよ〜」と楽しく言えるようになったんですね。さらに、「今朝、妻がつくってくれた朝ごはん、おいしかったな〜」「今日、業者さん、頼みもしないのに、気の利いた物を持ってきてくれてね」というような感じで、ツイてたことの理由付けができるようになってきました。
 そうしたら、彼の身の回りに起こる出来事がどんどん変わってきたのです。彼が開発担当していた研磨剤で、誰も到達したことのない品質のものができてしまったんです。それで磨くとものすごくピカピカで、傷が一切ない。
 なんと、世界一の素晴らしいデータが出てしまったんです。会社側も多額の投資を行うことを決定し、彼には優秀な部下が二人も付きました。その後のことは言うまでもなく、ますますうまくいきましてね。大口のユーザーからは認定が下り、海外に対して輸出体制も整いました。世界中に供給すればシェア百%です。特許は国内外に出願しました。すべて彼のアイデアと努力の賜物です。明らかに、一年前の彼とは全然違います。僕が何かをしてあげたとしたら、「ツイてる?」って聞き続けたことくらいなもんです。もちろん、僕は彼に「ツイてる?」なんて、もう聞いていません。彼は、いつ、どこでも、「ツイてる、ツイてる、ツイてる・・・」が口グセとなり、笑顔が多くなりました。
 皆さん、どんな状況に面しても「ありがとう」「感謝します」を連発しましょう。ツキは少しずつですが、必ずツイてきます。些細なことでもツイたら、「ツイてる!」を連発しちゃいましょう。これで人生、マンモス・ハッピーです。」   

          いつかいち つよし 愛知県岩倉市在住。 工学博士。

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ツキを呼ぶ魔法の言葉

美しい言葉は、人生を美しくします。逆に汚い言葉は、人生を汚くします。つまり、言葉は自分の運勢・健康・思考すべてに影響を与えてしまうのです。だから、言葉を使うときは意識的に美しい言葉を使う事が大切だと言えます。
「ありがとう」「感謝します」。この二つの言葉は人を驕り高ぶらさず、謙虚に目の前のことを見つめ、人生を好転させていく習慣をつけさせてくれます。

「言葉で人生が変わる」・・・それが「ツキを呼ぶ魔法の言葉」なのです