第20回「養心の会 三重」8月例会
講 師 福永 道子先生
「演題」
〜小さな歩み大きな喜び〜

日 時 平成17年8月11日(木)
時 間 午後 7:00開演
会 場 松阪市市民活動センター
住 所 松阪市日野町788
会 費 2,000円(講演会)
茶話会 1,000円(うちの茶の間)
福永先生と「教育」について語ろう会)
福永 道子先生のプロフィール】
昭和19年岡山県に生まれる。昭和42年浪速短大通信教育部を卒業、豊中市私立服部幼稚園勤務。その間玉川大学通信教育部に入学。小二普通免許取得の後、豊中市立庄内西小学枚、豊島西小学枚に勤務し昭和52年3月退職する。昭和58年4月「あゆみ保育園」開設。現在に至る。尚、昭和59年10月兵庫県の保育士資格取得試験に合格。これにて20年に及ぶ資格取得試験にピリオドを打つ。著者は「つぶやき短信」・ハガキ通信百号記念「小さな歩み大きな喜び」。あゆみ保育園10周年記念「あゆみの宝」「野辺の道草一輪の花」他がある。
わが人生の師を語る
                
                                                    福永 道子さん
師に導かれて
昭和46年4月、私が26歳の春でした。玉川大学通信教育部に学び小学教師の資格を取得した私は晴れて豊中市の小学教論として採用が決定致しました。その当時玉川っ子の先輩として後輩の指導をして下さる今は亡き神戸市の岸野靖晴先生が「生涯の師としてご指導いただくように」と森信三先生とのご縁を結んで下さいました。以来33年間。直接あるいは間接的にご指導いただきながら実践して参りました。森先生からお教えいただきましたことや、実践を通して学ばせていただきましたことの一端をご紹介させていただきたいと思います。
 教師となり、やがて1年が終ろうとする昭和47年2月。熊本県八代市の徳永康起先生とのご縁をいただくことができ、森先生は大層お喜び下さいました。森先生は徳永先生のことを「超凡破格の教育者」「百年一出の人」と高く評価されていました。徳永先生も「我が師は生涯に唯お一人」と森先生を大変尊敬しておいででした。

森信三先生からの三つの教え
 さて、森先生からたくさんのことを学ばせていただきましたが、今私の心に強く残ることを三つご紹介させていただきたいと思います。

@腰骨を立てる
 私が教師としてスタートするに当り最初に教えていただいたことは、「腰骨を立てる」ということでした。森先生は「性根のシャンとした立派な人間にする為に大黒柱を打ち立てるようなもの」とご教示下さいました。心は目に見えません。常にコロコロと変わります。だから、まず目に見える体から押さえていくことが大切なのです。私は、教師となって三か月後の昭和46年7月14日に神戸読書会に参加し初めて森先生に腰骨を見ていただきました。そして「子ども達にすばらしい宝物を与えたね」と大層喜んでいただくことができました。その時私は、生涯をかけて子ども達に腰骨の種まきをしていこうと心中深く誓ったのでした。
Aハガキを書くこと
 森先生は「たった一枚のハガキでしかもたった一言のコトバで、人を慰めたり励ましたり出来るとしたら世にこれほど意義あることは少ないであろう」と言われています。5分あれば一枚のハガキが書けるとも。
私は学校で出逢う子ども達に月に二、三通のハガキが届くように毎日せっせと書きました。五年間で五千枚のハガキを書いています。お陰で子ども達と仲良くなり学級経営もうまくいけたように思います。何より子ども達に「ハガキの種まき」ができたのではないかと思っています。
B成形の功徳
 私は在職中、森先生のご指導により学級通信「つぶやき」を毎週月曜日に一度も欠かすことなく発行することができました。森先生は発行した物はある時期がきたら一つの形あるものとして保存することの大切さを教えて下さいました。そのことを「成形の功徳」と言うのだとも。そこで年度末、一年分の通信を人数分印刷し合本としてまとめたものを感謝の気持ちを込めて子どもたちに渡させてもらいました。今、この原稿を書かせていただきながら久し振りに当時の学級通信を取り出しなつかしい思いでページをくっております。形にして残したからこそ、こうして読み返すこともできるのですね。森先生の仰言る通り形にすると大きな力となることを知りました。

「あゆみ保育園」のスタート
 昭和58年4月1日。森信三先生に「あゆみ」と命名していただき乳幼児の為の保育施設「あゆみ保育園」がこの世に誕生しました。日本一小さな保育園だけど日本一素晴しい保育園に育てたいと念じながらの開園でした。園児3名職員2名のスタートに心から感動しました。
 森信三先生は「小さなものを充実させること。そこに独特の味わいがあるものです。」と開園を祝って下さいました。以来22年。「真理は現実の唯中にあり」と森先生は教えて下さいましたが、正にその現実の中で喜びや悲しみや感動をいただきながら味わい深い日々をすごさせていただいております。

あゆみ教育について

あゆみ教育の基本をなすものは「人間形成の土台づくり」だと考えています。森信三先生のしつけの三原則@呼ばれたら「ハイ」とハッキリした返事Aあいさつは自分から先にBハキモノを揃え、イスを入れる・・・・。
そして、森先生よりあゆみの保育園の子ども達に@つねに腰骨を立てる子にA「ありがとう」の言える子にB「すみません」「ごめんなさい」の言える子に・・・・と。
この六つのことを毎日朗誦し、生活のあらゆる場面に取り入れ子ども達と共に実践しています。

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森 信三先生直伝の立腰教育の実践者です。
「養心の会」の誇れる講師です。


森信三先生からの三つの教え

@ 腰骨を立てること
A ハガキを書くこと
B 成形の功徳