講 師 坂田 道信先生
「演題」 はがき道に生きる
日 時 平成16年2月24日(火)
時 間 午後 6:30開演
会 場 ウッドピア 木の情報館
住 所 松阪市木の郷町1番地
会 費 2,000円(講演会)
茶話会 1,000円(うちの茶の間)
坂田 道信先生と語ろう会)

【坂田 道信先生プロフィール】  
昭和15年2月20日生まれ (旧名成美。) 向原高校卒。

昭和42年 結婚。
昭和46年8月森信三先生、徳永康起先生に出会い、「複写ハガキ」を教えられる。
百姓の合間に種々の日雇い職を経験。
大工の名人に出会い、30才過ぎよりその配下で働く。
昭和50年10月一男二女を遺して 妻死別。
昭和57年夏 「複写ハガキを書くことは道である」と開眼、「ハガキ道」を創姶。
昭和60年 桜井のぶ子と結婚。(のぶ子は後に宜穂と改名)
平成5年 道信と改名する。
「複写ハガキ」を始める人が一人でも増えることを願っております。一日三十通、年間一万通のハガキを書くことを目標とし、ハガキ道講演のため全国を行脚しております。
坂田 道信語録 ・・・『複写ハガキは心の架け橋でいのちをみがく砥石』 『複写ハガキを書くことによって(日記)自分の一生がわかる』 『複写ハガキはわたしを育ててくれる先生』
現住所 〒 739-1201 広島県高田郡向原町坂3243
    TEL 0826-46-3674
    FAX 0826-46-4354

皆さん、こんにちは。私は皆さんに「先生」「先生」と言われとるが、先生じゃないんです。百姓なんです。そして私は落ちこぼれなんです。落ちこぼれは落ちこぼれで、「才能のある人よりもっと面白い人生が生きられるんだよォ」という見本になればという思いで、私は生きてきたんです。生きとる姿そのものが、縁ある人々の励ましになるような人生を送れれば最高だなぁと思います。

だから、欠点があってもいいんです。足が片方なくてもいいんですね。足が片一方しかないのに、両足ある人よりももっと楽しく生きとるじゃないか。ニコニコ笑って、実に素晴らしい生き方じゃないか。才能のある人よりも生き生きしてる人生じゃないか。それが人々を励ますということなんです。私は落ちこぼれ出身ですので、そういう世界を生きたいなぁと、毎日生きとるんですよ。

 私は今日ハガキの話をさせていただきますが、皆さんはハガキ書かれなくてもいいのです。落ちこぼれでもこんな生き方があるなぁと、ハガキを通した私の生き方を考えていただければいいなぁと思います。

 「生きる」ということは、心を綺麗にすることなんですね。私たちは心を綺麗にするために生きている。私たちは心を綺麗にするためにこの世の中に出てきたんですよね。だから私たちの毎日の生活は、心を綺麗にするための砥石なんです。欲というのは、心を綺麗にするための砥石なんです。私はよく講演会などで、欲を捨てた方がいいよと言う先生の話を聞くことがありますが、私の場合に限っては、欲はあった方がいいなぁと思います。欲を持って心を綺麗にする砥石にすれば、欲はあった方がいいなぁ、私は欲を無くすことはできないなぁ、そういう風に感じているんですね。私はね、心を綺麗にするために生きとります。

 人間として生まれ出てくるには、ツキにツキにツキまくった人だけが出てくるんです。一回の結びつきで、三億から五億あるそうですよ。私は五億分の一なんです。ところが、だんだん分かれてくるんだよね。最後までツキの人生を歩む人と、ツキのない人生になる人と、大きく分けて二つに分かれるんだよね。私はね、ツキの話をしたい。ツキの話だけが値打ちがある。私は実にツイてる人生を送ってるんですよね。ツク人生はね、簡単だ。ツク人と付き合えばいい。ゴルフをしようとしたら、皆さんゴルフをする人と付き合うでしょ。ハガキを書こう思ったらハガキを書く友だちを作ればいいんですよね。簡単なんだよ。あのようになりたいと思ったら、あのような人と付き合えばいい。簡単なことなんだよね。

私はね、勉強が嫌いでね。教室で一日中座っているのはいやだなぁ。義務教育だから中学までは学校行ったけど、もう高校なんて行くもんか。おなかが痛いよう、ずる休みするんですよね。風邪をひいたよ、と休むんですね。ところがね、親父は結婚に苦労していて、おまけに私の町は過疎の町です。ある時親父が私に、「成美(旧姓)や、今時高校の学歴がなければ、嫁さん来んよ」と言ったんです。嫁さんが来るのなら学校行ってやろう。それで学校行くんですよね。小ちゃな過疎の町の学校、四十九人しかおらんのじゃよ。私はね、四十九人中の四十八番で卒業するんじゃよ。今から三十年前は、通知簿に順番が付いたんだよ。四十九人中の四十八番だから、近所の人はウスノロじゃ言うんですよね。親はね、朝私が目を覚ますといろり端で話しとるんです。「成美(旧姓)は頭が悪いなぁ。仕方がないなぁ。オレたちの子供だから仕方がないなぁ。」 

私はね、今でも同級会へ行かないんです。去年のことです。「今年の一月三日に同窓会をやるからおいでください。」 すぐに欠席と書いてポストへ入れるんだよね。なぜ行かないか。今、私は先生と言われて全国講演してまわっとるんですよね。ところが昔の仲間と会うとね、すぐ昔に返る。一秒もかからんのじゃよ。四十九人中の四十八番。パッと覚えとるんですよね(笑)。

 少年院、刑務所でもそうですがね、出てくる人の大方はオレはもう二度と悪いことはしないよ、全うな人生を歩むよ、と決心して出てくるんです。ところがね、その決心が昔の仲間に会ったら、パッと元に戻る。現実はそうなんです。 生きた勉強というのはこういうことだよ。現場の中に本当の大学があるんだよ。生きた勉強をするというのは、こういうことを知るということです。現場が大事なんです。現場からものを教えてもらうようになって、初めて本当の人生がわかるんです。

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