講 師 武田 数宏先生

「演題」
おもいやりの心・信じ合う心・感謝の心
日 時 平成17年5月11日(水)
時 間 午後 7:00開演
会 場 松阪市市民活動センター
住 所 松阪市日野町788
会 費 2,000円(講演会)
茶話会 1,000円(うちの茶の間)
(武田先生と心についてを語ろう)

【武田 数宏先生のプロフィール】
(財)修養団 講師 (財)修養団 伊勢青少年研修センター副所長 出 身 福島県安達郡 生年月日 1958年1月29日 1980年 略 歴 淑徳大学 社会福祉学部社会福祉学科卒業、同年(財)修養団に勤務。 1981年より、伊勢青少年研修センターにおいて、各講習会・研修会に従事。 1991年 日韓学術文化青少年交流派遣、1992年には日英青少年指導者セミナー派遣と国内外において、青少年を対象とした活動を幅広く行っている。1993年 伊勢講習会主事。1997年 伊勢青少年研修センター副所長に就任。 現在、各企業・ロータリー、青年会議所等への講演会活動をはじめ、体験学習プログラムの「ブラインド・ウォーク」(おもいやりの心/信じ合う心/感謝の心を体感する)等の指導

          息子たちへのプレゼント
                                           修養団「向上」 講師随想から抜粋
 若葉を渡る風もさわやかな五月六月、連休最後のこの日は「日本を美しくする会・三重掃除に学ぶ会」の毎月一回行われる例会の日であった。
 この会は、鍵山秀三郎さん(イエローハット相談役)の「トイレ掃除は自分磨き」という信念とその実践に感銘を受けた企業経営者が集まり、約十年前に岐阜県で発足したのが始まりである。以後全国に広がり、各地でトイレの清掃奉仕活動を展開している。なぜトイレ揮除なのか。@心を磨く、A謙虚な人になれる、B気づく人になれる、C感動心を育む、D感謝の心が芽生える、と教えていた。私もご縁があり、このトイレ掃除に参加させていただいている。
 そのきっかけは、鍵山さんの講演会での次のようなお話に感銘を受けたからだった。
「普通の会社なら一年に一回やるかやらないかの掃除を毎日やるんです。そのお陰で、いつもきれいで、汚れているところがほとんどなくなりました。こういうトイレを普段使っておりますと、他所へ行って汚れておりますと、とても気になります。この、気になるということが大事です。どんなものを見ても、何とも思わないなんてことになりますと、人間として向上心がないわけです。絶えず美しいものを見たい、きれいなものを見たい、そして自分の手できれいにしたい・・・・・・・こういうような気持ちを持った時に初めて、人間は人間として成長、向上していくのだと思います。」

 この日の朝六時四十分、三重県松阪市殿町の松阪城駐車場の公衆トイレに到着。すでにトイレ周辺のゴミ拾いや植え込みの雑草を抜いているメンバーがいる。参加者は二十人。
 午前七時に約一時間の「トイレ掃除」がスタート。私も心を込めて掃除開始。まずトイレ内のペーパー等備品をすべて外に出してまとめておく。蛍光灯や換気扇を取り外し、拭き掃除や排水ロを開け、釣鐘の汚れを落とす。便器の底に残った水をスポンジで吸い取り、汚れ具合に合った用具を使い綺麗にする。見えにくい便器の水返しなどの部分は、素手で触り感触でよごれ具合を確認しながらの作業だ。流し台、内壁、床、屋根、外壁と磨きに磨き込む。これらは経験豊かなリーダー、サブリーダーの指示に従って進められる。終わった後の清々しさは格別だ。

 私はトイレ掃除の感動を息子たちにも味わってもらいたいと思い、「今度、お前たち二人の卒業した小学校のトイレ掃除をする。一緒に参加してほしい。お父さんからのプレゼントだ」と長男(高校二年)、次男(高校一年)を誘った。「変なプレゼントやなあ」と言いながらも、昨年十二月十日の日曜日、息子たちは母枚のトイレ掃除に十五人のメンバーと共に参加し、お世辞にも奇麗と言えないトイレで、一生懸命、小便器の“水こし”を磨いてくれた。

 実は、この日は私の父の七十歳の誕生日であり、トイレ掃除をしている息子二人が、父に対する私のプレゼントでもあった。私は毎朝、掃除をしている父の姿を見て育った。父は三十代の時に修養団伊勢講習会を受講。その後、熱心に修養団活動を実践していた。修養団生みの親・蓮沼門三初代主幹が東京府師範学校の寄宿舎の廊下やトイレ掃除をただ一人続けたことに感動し、自ら清掃奉仕を実践し続けてきたのだった。さらには、子ピもたちを集めて「少年少女奉仕隊」を結成して地域の美化掃除をしたり、青年講習会や『家庭共育セミナー』の開催にも尽力してきた。
 父から学んだ修養団の《汗》の精神が、息子たちに伝えられたらと思うこの頃である。
                             修養団講師・伊勢青少年研修センター副所長  武田 数宏



●「こんにちは!」という〔ふれあいの種〕
あいさつは、明るい人間関係をつくるスタートです。家庭で、学校で、職場で、明るいあいさつが交わされると、ふれあいが深まり、温かい雰囲気が生まれます。
あいさつの大切さを知っていても、意外と素直にできないものですが、「少年少女」ふれあいキャンプ」をはじめとする修養団の活動をとおして習慣づけられ、大きな心の財産となります。
●「どうぞ!」という〔思いやりの種〕
「どうぞ!」という言葉は、相手への思いやりの心から出てきます。「どうぞ」の一言が、どれほどうるおいと安らぎのある家庭や社会を作り出すことでしょう。相手の心情を察し、相手の身になって行動することを心がけましょう。
人のため、社会のためのボランティアは、まさに“思いやり”の実践です。修養団では、ボランティアの精神を実践を通して学ぶ「青年ボランティア・アクション」や「沖縄シルバーボランティア」などの事業を実施しています。
●「ありがとう!」という〔よろこびの種〕
私たちは、多くの人たちの支えと、自然の恵みによって生かされています。豊かな社会にいるとつい忘れがちですが、この世はまさに持ちつ持たれつの「おかげさま」の世界です。おかげさまの気持ちを「ありがとう」の言葉と行動で表し、感謝とよろこびの生活をおくりたいものです。


修養団では、生かされていることを自覚し、感謝とよろこびの生活へと導く「伊勢講習会」をはじめとする講習会、セミナーを各地で開催しています。
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