カード オブ デスティニー

ドリームキャスト:¥6800


パッケージに「ちょっとHなRPG」と書いてあったので、買う時、少し恥ずかしかったです。
お店の人とも親しく話をするので、笑われてしまいました(苦笑)


(1)はじめに

ドリームキャスト末期の2002年3月に発売されたソフトです。

『サクラ大戦4』という大作も、ほぼ同じ時期に買ったのですが

コチラの方が早く終わるだろうと思い、先に遊びました。

というわけで、今回のあるゲーは、このゲームです。

さあ、レビュー行きまッす!!

 

(2)ゲームデザイン

『古い』です。

だけじゃ解りませんから詳しく書きます。

考えられてないワケではないのですが、

『単純過ぎる』と思います。

このゲームは、ガーディアというカードが

武器、防具、魔法の全てを兼ねています。

つまり、装備する事で

(1)使える魔法が決まります。

(2)使える武器が決まります。
(例えば、水属性の剣『アクアソード』とか)

(3)ボーナスポイントが付きます。
(例えば、STR+20、DEF+15など)

要望として、RPGの『育てて強くなる』部分をもっと増やして欲しかったです。

少し強くなると、敵の攻撃によって

ダメージを食らわなくなります。

『0ポイントのダメージを与えられた』とかテキストが出ちゃって。

早いときだと10分くらいダンジョンを回って戦闘したら

無敵状態になっちゃいます。

そうなると、ボタンを押すだけの作業だと感じてしまうようになるんです。

ココは大きな減点です。

 

あと、カードにも成長の概念を入れて欲しかったです。

最初から最後まで能力が変わらないから

ココでも『育っている』という感覚が湧きません。

回数の制限が20回とかなっています。

『レベルが上がると制限回数が増える』となっていたら

育っている感覚が味わえると思います。

 

ガーディアというカードの種類は40種類くらいあるのですが、

使うカードと使わないカードがハッキリしすぎています。

使うのは10種類くらいでしょうか?

戦闘がそれほどキツクないですから、

攻撃力UPのカードなどは使わないですから。

カードのグラフィックにも専属のデザイナーを起用していますが、

使わないため、それほど見ないカードもあるのは少し悲しいです。

 

ボスが弱すぎます!!

普段の戦闘で死ぬ危険性がほとんどなくなってしまって

単調なのにボスも弱いです(涙)

ザコ敵とほとんど変わらないですね(苦笑)

もっとも、このゲームはボスもザコもイベントも含めた

ダンジョン全てで1個の単位となっています。

逆に言うと、ボスが強過ぎると

ゲームバランスが壊れてしまう危険性もあるので

コレはコレで良いかなあとも、思います。

矛盾した考えだと自分でも感じますが(苦笑)

注:ラスボスは多少は強かったですよ。

 

戦闘に関してもう1点不満があります。

キャラに善・中立・悪の概念があるのですが、

その概念が全然生きていないんですよ。

 

例えば、善の概念の敵キャラを殺したら

カルマが減ってしまうとかあったら良かったのですが、

とにかく、出てくる敵は全て抹殺するだけなので

つまらないです。

善悪の概念は装備できるガーディアに関連しているだけで

少し奥行きがないのは残念です。

 

お金が余ってしまう。

1回の戦闘で軽く1000ゴールドくらいは獲得できます。

お金の上限も65535ゴールドと低いです。

お金の使い道がガーディアを買う事だけなので、それでいいかも知れません。

もっというと、ガーディア以外のアイテムは全く存在しません。

しかし、すぐにカウンターストップがかかってしまうのはツライです。

しかも、イベントの都合上、買いに行けなくなってしまっているのに

カウンターストップがかかってしまい

ストレスが溜まる展開が何回かありました。

 

戦闘に関して操作上の不満点を1つ挙げておきます。

戦闘時のメッセージ1回ごとにボタンを押さなければなりません。

「●●が現れた」(Aボタン)

「どうする?」(Aボタン)

といった感じです。

Rトリガーを押しておけば飛ばせるのですが、

戦闘画面になるごとに

Rトリガーを押さなければならなかったのは面倒でした。

 

説明書も不親切だと思います。

肝心のカードの配置によって属性を持つ剣が出来る事は

しばらく分かりませんでした。

気付いたのはタマタマ買ってきた雑誌の攻略記事で

気付いたので、僕が雑誌を見ていなければ

ゲームクリアまで知らなかった可能性がありました。

確かに、このゲームは単純で書く事が少ないのですが

強調すべき事は強調しておいて欲しいです。

ただ、ゲームがCDロムになってから

全体的に書くべき事が書いてない説明書も多いのは残念です(涙)

 

ココまで不満点を書いてきました。

つまりは、ゲームがRPG要素が現在の水準に達していない事が

不満だというわけです。

悪い点だけなら、あるゲーには取り上げません。

良い所もあるから取り上げているのです。

それはストーリーなのです。

 

(3)ストーリー

さすがにEVE、YU−NO等で名をはせた菅野氏のゲームです。

ストーリーが面白いのです。

 

このゲームは3部構成になっています。

第1部で感じる謎が

第2部で明かになったり、

第2部でも明かにならず第3部へ持ち越し、

更には第2部や第3部で新たな謎が発覚という感じで

『謎が謎を呼ぶ展開』になっています。

善側、悪側も両方の考えをプレイヤーに示す事で

プレイヤーに提示する以上のストーリーの厚みを

表現しているのは流石です。

舞台は1つの世界ですが

ストーリーが異なってもキャラの言動や設定を

巧みにシンクロさせる事による面白さがありますね。

(ダンジョンも使い回しですが、設定の面白さによって生かされています。)

どういう事かと言うと、

第1部で明かされた謎を

第2部の登場人物たちは知っていない。

しかし、真実はプレイヤーが第1部で見知った通り

という感じです。

ストーリーが面白くなかったら、僕はこのゲームを投げていたでしょうね。

 

(4)まとめ

このゲームはRPGではありません。

ノベル形式のゲームだと思った方がいいです。

先に書きましたように、

RPGの醍醐味である『育成』の要素が少ないからです。

加えて、このゲームのプレイって

『30分〜1時間』くらい声優さんの音声入りのテキストを読み進め

その後ダンジョンを『1〜2時間』かかってクリア

という展開の繰り返しですからね。

僕はギャルゲーへの耐性があるからクリアできましたが、

ギャルゲーが嫌いな人は『絶対』遊ばない方が良いですね。

もっとも、パッケージイラストから

カワイイ女の子テンコ盛りですから、

ギャルゲー好きな人が買うとは思いますが(苦笑)

 

ゲーム自体は何度か書いていますが、単純に出来ています。

最初の第1部だけだったら

PC−98のDOS時代のゲームだったと思います。

 

不満点をたくさん書きましたが、

要望を一言で言うと、

『RPGとしての厚みを出してくれ』

という事です。

このゲームはRPGですが、

やはり菅野さんのゲームはADVが一番良いみたいです。

 

<追伸>

このゲームの<攻略のーと>を作ろうと思ったのですが、やめました。

というのは、このゲームの謎解きは難しくありません。

とりあえず、行ける所をしらみつぶしに行けばストーリーが展開しますから。

というわけで、今回はナシでお願いします。


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