No.62 カンペキな彼女
全6巻 | コミックス |
アクションコミックス/双葉社 | |
あきづき弥(あきづき・わたる)・作画 |
読み直すまで、淡々と描かれている名作まではイカナイけど、安心して読める佳作だと思ってました。
読み直して正解でした。
もちろん佳作、人によっては名作たりうる良い作品です。
淡々とした印象を持っていたのは、中学生レベルで起こる事件やイベントが描かれているから。
最近、多いですよね。
作中では中学生とか高校生だけど、
中高生で、ココまで激しかったり、Hだったりするイベントはないわーって作品。
読者層を考えて、同年代にしてるだけで、こんなのは絶対にないっていう。
もう一回書きますが、この作品のミソは、中学生レベルの出来事をキチンと書いているから。
秀才良い子ちゃんのひな子が、元気だけど考えて動かない武田くんにふとした事から意識し始め
結果的に恋をして、告白するまでを描いています。
そう、大体の漫画って、告白してからの付き合いを描いているんですが、
この作品は、告白しない状態をずっと描いています。
最終話近くでは、周囲でひな子を見ている人たちの中には気付く人が出てくるんですが、
大体は、ひな子ちゃんの中の葛藤を、読者である僕たちは見ているワケです。
それが、まー、もどかしいw。
ひな子ちゃんが、可愛くて勉強ができることを鼻に掛けるイヤな子ではないのも大きい。
序盤、最初は多少そういう雰囲気が描かれていますが、
武田が好きな事に気づいてからは、一途になってしまって、そこにスッと読者は入っていける。
武田くん自身も、ひな子たちと触れあうことで、少しずつ変わっていくし、
実際、人の成長ってこんなモンなんだろうなって感じます。
あと、絵も、最初から安定していて、変化があまりないのも、佳作と表現した理由です。
フツーに読んだら佳作だと思いますが、僕の中では大ヒット作でした。
ヒットした理由は、絵や話が分かりやすく、作者を含めて読み込まないと分からない部分がない事。
コレは、スゴク大切な事で、続くウチに読者に与える情報が増えてきたり、整理しきれなくなって
読んでいて話が分からない部分が出てくる作品が結構あります。
読み捨てるという意味ではなく、とにかく話が分かりやすくて読みやすい。
この作者の作品をもっと読んでみたいと思わせてくれるイイ作品でした。
90/100点
話作りや話のエピソードなど中学生の年齢から考えて
全く違和感がない事を1番評価したいです。
あと、絵は丁寧で変化もないので、安心して読めますよ。
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