No.51 宙のまにまに


全10巻 コミックス
アフタヌーンKC/講談社
柏原麻美(かしわばら・まみ)・作画

お父さんの仕事の関係で転校が多い高校生・大八木朔(おおやぎ・さく)くんが、
幼少時に一度いた地域に戻ってきて、その時知り合った一学年上の明野美星(あけの・みほし)ちゃんに再会。

読書大好き・文系インドア少年である朔くんが美星さんに引きずられるまま、
天文部に入って高校生活を送るといった出だしです。


休みの日に最初から最後まで通して読んでみましたが、時間がかかりましたねえ。

印字されたセリフが多い上に、手書きのセリフも多く、かなり考えさせられる言葉が多いので
読むのに時間がかかるのです。


ちなみに、1巻を本屋さんで購入したのは、完全なジャケ買いで
軽いノリで始まっているから、ラストも軽く……、と思っていたのですが、違いました。

作内では、朔くん、美星ちゃんを中心とした高校生たちの部活がキチンと描かれていました。

ラストの高校を卒業して離ればなれになっちゃうケドっていう少し寂しい気持ちも思い出せたりしました。

僕自身は、それほど明るい高校生活もしてなかったし、部活も一生懸命やってなかったのですが、
フィクションの漫画作品とはいえ、彼らの一喜一憂を見ていると昔を思い出してシンミリしてしまいました。


人間関係に関しては、姫ちゃんをずっと応援していました。

アレだけアウェイ感が満載でも戦意喪失しない所を見ちゃうと、そりゃ応援しないワケにはイカナイでしょとw。


今まで引っ越しで転校を繰り返していた朔が生き生きとしていたから、ココに戻ってきたという
朔ママの目は確かだったと思います。

全く子離れできてなくて、見ていて可愛いんだよね、朔ママw。


話を戻すと、高校生の部活という事で先輩たちの卒業という一大イベントがあり、
また部活を通じて、天文の知識が入ってきた朔と姫が部長と副部長をやる事に
何の違和感もなく僕には受け入れられました。

元々作者さんが星(とそれに関わる天文学的な部分)がスキだったと思うのですが、
キチンと部活を描いていたので、最近の作品でよくある部室でだべるだけ
という展開に落ち着く事もなく、部活を理解もできたし、楽しんで読めました。


部活、部活と書いているように、この作品には、ラブコメ要素はあまりないです。

明らかにくっついたと言えるのは初代部長の路万部長と近江さんくらいで大々的なイベントはなく、
落ち着くべき所に落ち着くくらいの本当に大人しい描写で描かれています。

「だから、姫ちゃん諦めるな、まだ勝負はついてないぞっ!!!」っていうw。


個人的にはラストの番外編は要らないかなあ。

オチはありましたが、結構現実味漂う話だったので、
フィクションであるマンガ作品内でのさらにフィクションとはいえ、落ちぶれた朔は見たくなかったですねー……。


85/100点

高校生が精一杯学校での毎日を過ごしている感じが伝わってきます。

ラストは、ヒロイン美星の卒業でシンミリしますが、
先輩を送る後輩・朔たち気持ちが痛いほど伝わってくるからだと思います。

随所にマジメな女性が描いた作品だと感じました。

具体的には、女の子が好きな江戸川くんというキャラが出てくるのですが、
必要以上にイヤらしく描いてなかったんですよね。

また、混雑している電車で男性が痴漢してませんよという意味で
両手を上げて通るという事をこの作品で始めて知りました。

ああいうシーンは女性じゃないと描けないと思います。


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No.52 空色スクエア


全4巻 コミックス
まんがタイムきららコミックス/スクウェア・エニックス
双(そう)・作画

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---/100点

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