奥行臼駅逓

別海町から国道243号線を南東に12kmほど下った、道道930号線との交差点に奥行臼歴史の里パーキングエリアがある。このパーキングもトイレや東屋のある雰囲気のよい公園だが、ここから200mほど西の道道930号線から南に100m下った所に奥行臼駅逓の現存する建物がある。駅逓とは明治から昭和初期まで北海道辺地の交通補助機関として、宿泊、人馬継立、郵便業務を担うための制度である。この奥行臼駅逓も地元の名士山崎藤次郎氏の自宅を別海、西別、別当賀の三方面の分岐点にあたる駅逓として1910年に開設したものだ。当時は多くの旅人に利用されたが殖民軌道根室線(旧国鉄標津線の前身)の奥行臼駅開業に伴い奥行臼駅逓も役目を終えて1930年に廃止された。しかし駅逓の建物は引き続き旅館として利用され、1984年には山崎氏の自宅新築に伴いこの駅逓は別海町に寄贈、1985年から一般開放され1994年には北海道指定有形文化財に指定されている。建物は当時のまま残され建物内部も見ることは可能だが向かいの住人が施設を管理しており普段は施錠されているので見学には鍵を開けてもらう必要がある。中は当時のままの生活様式が再現され、当時の写真等も展示されている。また毎年9月の第一日曜日には奥行臼駅逓祭が開催され昔の遊びや昔の食べ物が振る舞われる。この道道930号線をさらに50mほど進むと別海村営軌道風蓮線や旧国鉄標津線の奥行臼駅跡があったり別海村営軌道の機関車や客車、転車台跡も展示されている。別海村営軌道風蓮線は1933年に開業した厚床-上風蓮の殖民軌道を馬力から動力化するために1963年に開業したが、道路交通の発達により1971年に廃線となった鉄道だ。

奥行臼駅逓データ
展望 :★☆☆☆☆
資料性:★★☆☆☆
観光客:★☆☆☆☆
お勧め:★☆☆☆☆
期間:5月~10月
休日:第一・第三月曜日
時間:10:00~16:30
費用:無料
施設:トイレあり
電話:-
郵便:086-0213
住所:野付郡別海町奥行15-12
北緯:43.3130
____:43°18'46"93
東経:145.2102
____:145°12'36"58
マップコード:496535231*22
MGコード:-
マップル地図:37F-5
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