5月3日の中日新聞愛知県版に載った記事です。

愛知県の『諸国漫遊記』さんが,FAXで新聞記事を送ってくれました。

 

2000.5.3 中日新聞愛知県版より

拡張型心筋症の治療法『バチスタ手術』を知って

 

 
難病の拡張型心筋症の治療法の一つである「バチスタ手術」を知ってもらい,同じ病気で頑張っている人たちを励まそうというコンサートが,4日午後7時から犬山市羽黒の南部公民館で開かれる。
 
同症の一番の外科的治療法とされる心臓移植を広げるのに必要なドナーカードを普及させるため,臓器移植コーディネーターによる講演もある。

 

 

   1998年5月にバチスタ手術を受けた犬山市羽黒の元会社員,長谷川裕さん(43)が拡張型心筋症との闘いを掲載しているインターネットのホームページ上で知り合った仲間たちが,コンサートを企画した。  

長谷川さんは,94年11月に心不全で入院,拡張型心筋症の診断を受けた。心臓を動かす筋肉が柔軟性を失い,心室が拡張して心機能が弱くなる難病,入退院を繰り返し,98年末ごろには,助かる道は心臓移植しかなく余命半年と言われた。  

バチスタ手術は,左心室の一部を切り取り,心臓の大きさを小さくして収縮力を取り戻す手術。国内では,96年2月に神奈川県の湘南鎌倉総合病院で初めて実施された。

 長谷川さんは98年春,インターネットでバチスタ手術の存在を知り,まだ実施例も情報も少なかったが「可能性のある物にかけよう」と決意し,同病院で手術を受けた。

 

HPが縁 コンサートを企画

あす犬山で患者の長谷川さんら  

 

 手術後も不安定な状態が続いたが半年ほどで好転。術後は寝たきりに近い状態だったが,自宅で勉強して情報処理関係の資格を取るまでに回復した。

  昨年末,長谷川さんのホームページを通して知り合った仲間12人が犬山に集合。その中に,三重県松阪市を中心に活動している金管アンサンブルのバンド「アムサムブラーズ」のメンバーがおり,手術から無事2年が経過した事を祝って演奏会を開く事になった。  

 長谷川さんは「同じ病気の方からよく悩みのメールをもらう。選択肢の一つとしてこの手術を知ってもらえれば,一つの希望になるのでは。」妻の美春さんも「今,生きていてくれるだけでうれしい,仲間たちの温かい演奏を多くの人に聞いてもらいたい」と話している。入場無料。

 

 

この記事の取材の時の中日の記者の方と、長谷川裕さん。